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理由で解く 作業療法士

QO58A091 臨床医学大要

出典:第58回作業療法士国家試験(2023)午前 問91
問題
糖尿病性神経障害に特徴的な所見はどれか。
選択肢
1 急激な発症
2 自律神経過反射
3 深部腱反射の亢進
4 下肢の靴下型感覚障害
5 近位筋優位の筋力低下
解答
正解4(下肢の靴下型感覚障害)
解説

糖尿病性多発神経障害は長い神経ほど障害されるため、両下肢遠位から左右対称に「靴下型(さらに手袋型)」の感覚障害が緩徐に進行する。

糖尿病性神経障害の大部分を占める遠位優位性多発神経障害は、高血糖による代謝異常と細小血管障害により、軸索の長い末梢神経ほど早期に障害される(length-dependent)。そのため障害はまず両足趾・足底から始まり、下腿へと左右対称性・遠位優位に緩徐進行し、「靴下型」の感覚低下(しびれ・異常感覚・温痛覚/振動覚低下)を呈する。障害は感覚優位で、アキレス腱反射をはじめ深部腱反射は低下・消失する。糖尿病では自律神経障害(起立性低血圧・無自覚性低血糖・胃排出遅延等)も合併しうるが、脊髄損傷でみられる自律神経過反射とは異なる。

✗ 1. 誤り
急激な発症
代謝性の多発神経障害は数か月〜数年かけて緩徐に進行するのが特徴
✗ 2. 誤り
自律神経過反射
これはT6以上の脊髄損傷で膀胱・直腸刺激により生じる病態で、糖尿病神経障害の特徴ではない
✗ 3. 誤り
深部腱反射の亢進
末梢神経障害では反射は低下・消失する。亢進は中枢(錐体路)障害の所見
✓ 4. 正しい
下肢の靴下型感覚障害
長い神経が先に障害され両下肢遠位から左右対称に感覚障害が出る典型像
✗ 5. 誤り
近位筋優位の筋力低下
多発神経障害は遠位優位。近位筋優位はミオパチーや重症筋無力症などの特徴
ポイント
  • 糖尿病性多発神経障害=遠位優位・左右対称・緩徐進行
  • 靴下手袋型感覚障害、アキレス腱反射低下・消失
  • 感覚障害が運動障害に先行、自律神経障害も合併しうる
比較表
末梢神経障害と中枢(錐体路)障害の反射・分布
項目末梢神経障害(糖尿病)中枢障害
深部腱反射低下・消失亢進
感覚障害分布遠位優位・靴下手袋型半身性など
進行緩徐・左右対称病巣依存
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