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理由で解く 作業療法士

QO57P046 作業療法治療学

出典:第57回作業療法士国家試験(2022)午後 問46
問題
前頭側頭型認知症患者への作業療法士の対応として適切なのはどれか。
選択肢
1 活動の中で複雑な判断を本人に求めるようにする。
2 口頭指示が理解できない場合は紙に書いて伝える。
3 参加の拒否に対しては活動の内容を丁寧に説明する。
4 常同行動に対しては別の行動に切り替えるように促す。
5 食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。
解答
正解5(食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。)
解説

前頭側頭型認知症は脱抑制・常同行動・過食(食行動異常)・遂行機能低下が特徴。行動を無理に止めず、環境調整で問題行動が起きにくくする(過食なら食材を視界から外す)。

前頭側頭型認知症(FTD、特に行動障害型)は前頭葉・側頭葉の変性により、脱抑制、常同行動(時刻表的行動)、無関心、食行動異常(過食・特定食物への固執)、遂行機能・判断力低下をきたす。対応は「止めさせる・説得する」より、常同行動を活動に取り込み、環境調整で問題が起こりにくくするのが原則。過食に対しては食材を見えない場所へ移す環境調整が有効。複雑な判断を求める、言語(口頭も文字も理解低下しうる)に頼る、拒否を説明で覆そうとする、常同行動を無理に切り替えさせる対応は、混乱や興奮を招き不適切である。

✗ 1. 誤り
活動の中で複雑な判断を本人に求めるようにする。
判断力・遂行機能が低下しており、複雑な判断を求めると混乱・失敗を招く
✗ 2. 誤り
口頭指示が理解できない場合は紙に書いて伝える。
側頭葉病変で言語理解も低下しうるため、文字にしても理解できるとは限らず一般化できない
✗ 3. 誤り
参加の拒否に対しては活動の内容を丁寧に説明する。
常同性・脱抑制が強く、丁寧な説明で拒否を覆すのは困難で興奮を招きやすい。本人の関心に沿う方がよい
✗ 4. 誤り
常同行動に対しては別の行動に切り替えるように促す。
常同行動は無理に切り替えさせると混乱・抵抗を生む。むしろ活動に取り込み活用する
✓ 5. 正しい
食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。
過食が止められない場合は食材を見えない場所へ移す環境調整が有効で適切
ポイント
  • FTD=脱抑制・常同行動・過食・遂行機能低下
  • 行動を止めるより環境調整で予防
  • 常同行動は活用する
  • 過食→食材を視界から外す
比較表
前頭側頭型認知症の症状と対応
症状適切な対応
過食・食行動異常食材を見えない場所へ移す
常同行動無理に止めず活動に取り込む
脱抑制・拒否説得より関心に沿う
遂行機能低下複雑な判断を求めない
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