
この図の解説
図は「自律神経の例外」を5つ挙げている。まず原則を押さえたい。多くの臓器は交感神経と副交感神経の二重支配を受け、両者は拮抗的に働き、節後線維が臓器に作用する。図はこの原則から外れる例を並べたものだ。①皮膚の汗腺・血管・立毛筋は交感神経のみの単独支配で、副交感神経は分布しない(二重支配の例外)。さらに汗腺の交感神経節後線維は、伝達物質としてアセチルコリンを放出するコリン作動性である点に注目する。②顎下腺・舌下腺・耳下腺の大唾液腺は、交感・副交感のどちらも分泌を促進する(拮抗支配の例外)。③副腎髄質は例外的に交感神経節前線維による調節を受ける(副腎髄質は交感神経節後線維と発生が同一のため)。④瞳孔括約筋は副交感神経(Ⅲ動眼神経)、⑤瞳孔散大筋は交感神経が単独支配する。図は「単独支配/両方が促進/節前線維」というキーワードで各例外を見分けるのが読み方のコツになる。
学習の要点
- 一般原則は「二重支配・拮抗支配・節後線維が臓器に作用」。図の5例はこのどれかを破る例外として整理する。
- 覚え方のコツ: 単独支配=汗腺/血管/立毛筋(交感のみ)と瞳孔括約筋(副交感のみ)・瞳孔散大筋(交感のみ)。両方促進=大唾液腺。節前作用=副腎髄質。
- 関連知識: 汗腺は交感神経支配だが節後線維の伝達物質はアセチルコリン。ノルアドレナリンを出す一般の交感神経節後線維との違いに注意。
- よくある間違い: 副腎髄質を「節後線維が支配」と取り違えやすい。正しくは節前線維が直接調節し、髄質細胞自体が節後ニューロンに相当する。
- 臨床応用: 瞳孔括約筋(副交感・縮瞳)と瞳孔散大筋(交感・散瞳)の単独支配を押さえると、動眼神経麻痺での散瞳やホルネル症候群での縮瞳が理解できる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
副腎髄質は、通常の自律神経が節後線維を介して臓器に作用するのとは異なり、例外的に交感神経( )線維による調節を受ける。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 節前
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。