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理由で解く 作業療法士

QO55A012 作業療法治療学

出典:第55回作業療法士国家試験(2020)午前 問12
問題
80歳の女性。重度の認知症患者。訪問作業療法を実施した際の足の写真を図に示す。対処方法で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 入浴を禁止する。
2 摂食状況を確認する。
3 足部装具を装着させる。
4 足関節の可動域訓練は禁忌である。
5 踵部にドーナツ型クッションを使用する。
解答
正解2(摂食状況を確認する。)
解説

重度認知症・高齢者の足部多発潰瘍では、低栄養が創傷治癒を妨げる背景因子となるため、まず摂食(栄養)状況を確認する。

写真は、足背から外果部・足の外側縁・足趾にかけて円形の潰瘍が多発し、中心に黄色の壊死・滲出物、周囲に発赤を伴う状態を示す。足部皮膚は乾燥・落屑し、敷いたガーゼには滲出液のしみが多数付着している。重度認知症の高齢者では自力での食事摂取が困難となり低栄養に陥りやすく、低栄養は皮膚の脆弱化と創傷治癒遅延を招いて、このような多発潰瘍の背景・増悪因子となる。したがって訪問作業療法士としてまず摂食状況(栄養状態)を確認することが適切である。入浴(清潔保持)は創部管理上むしろ有用で禁止すべきでなく、潰瘍のある足への装具装着(選択肢3)やドーナツ型クッション(選択肢5)は圧迫で創部を悪化させるため不適切、関節可動域訓練(選択肢4)も禁忌ではない。

✗ 1. 誤り
入浴を禁止する。
足部に複数の潰瘍を認めるが、入浴(清潔保持)はむしろ創部の清潔・感染予防に有用であり、一律に禁止する根拠はない
✓ 2. 正しい
摂食状況を確認する。
高齢・重度認知症で足部に潰瘍が多発し、皮膚は乾燥・落屑して脆弱化している。低栄養は創傷治癒遅延・皮膚脆弱化の主要因であり、まず摂食(栄養)状況を確認するのは適切な対処
✗ 3. 誤り
足部装具を装着させる。
潰瘍が存在する足背・外側縁に装具を装着すると圧迫・摩擦で創部を悪化させるため不適切
✗ 4. 誤り
足関節の可動域訓練は禁忌である。
写真は皮膚潰瘍であり、関節可動域訓練は禁忌ではなく拘縮予防・循環維持のため適応となりうる
✗ 5. 誤り
踵部にドーナツ型クッションを使用する。
ドーナツ型(円座)クッションは周囲を輪状に圧迫して循環を阻害し褥瘡・潰瘍を悪化させるため推奨されない
ポイント
  • 重度認知症=低栄養→浮腫・皮膚脆弱・褥瘡リスク
  • 局所処置より全身(栄養)状態の確認が先
  • ドーナツ型クッションは褥瘡予防に不適切
比較表
褥瘡・浮腫予防の可否
対応適否と理由
栄養状態の確認適:低栄養が皮膚脆弱・褥瘡の根本要因
ドーナツ型クッション不適:周囲圧迫で血流障害
関節可動域訓練適:拘縮・廃用予防に必要
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