
この図の解説
この図は交感神経が各効果器に及ぼす作用と、それを仲介する受容体(αまたはβ)を一覧にしたものである。まず注目してほしいのは、作用の向き(収縮か弛緩か)と受容体の種類が対応している点である。心臓では心拍数増加・収縮力増大が起こり受容体はβ、大部分の血管では平滑筋が収縮しαが担う。消化管では平滑筋が弛緩(α・β)する一方、消化管括約筋は収縮(α)し、同じ器官でも「動かす筋」と「締める筋」で逆に働く。膀胱でも排尿筋は弛緩(β)、膀胱括約筋は収縮(α)で、尿をためる方向に統一される。瞳孔散大筋は収縮して散瞳(α)、気管支平滑筋は弛緩して気道拡張(β)となる。図右下の吹き出しが要点で、「αは収縮/βは弛緩と心臓」と覚えれば全体をほぼ整理できる。細部を丸暗記するより、この対応原則で図を読むのが近道である。
学習の要点
- 交感神経は心筋・平滑筋・分泌腺を支配し、副交感神経と拮抗的に働く。図はその「興奮・戦闘モード」側の反応を器官別にまとめている。
- 覚え方のコツ: 「αは収縮/βは弛緩、ただし心臓はβで亢進」。括約筋(消化管・膀胱)はためる方向=収縮=αと押さえる。
- 関連知識: 交感神経の節後線維終末が放出する伝達物質はノルアドレナリンで、これがα・β受容体に結合する。節前線維終末はアセチルコリンを放出する。
- よくある間違い: 膀胱を「収縮」と一括りにするミス。排尿筋(β・弛緩)と膀胱括約筋(α・収縮)は逆で、交感神経は蓄尿方向に働く。
- 臨床応用: β受容体を介する気管支拡張は、気管支喘息治療でβ刺激薬が用いられる薬理の基礎にあたる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
交感神経は瞳孔散大筋を収縮させて( )を起こし、この作用はα受容体を介する。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 散瞳
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。