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理由で解く 作業療法士

QO52P076 臨床医学大要

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午後 問76
問題
突然の右不全片麻痺を呈して搬送された患者の発症後6時間の頭部CTを図に示す。最も考えられるのはどれか。
図
選択肢
1 視床出血
2 被殻出血
3 皮質下梗塞
4 くも膜下出血
5 慢性硬膜下血腫
解答
正解2(被殻出血)
解説

発症後6時間という超急性期に脳実質内で境界明瞭な高吸収を示すのは出血。左被殻(側脳室外側のレンズ核付近)の高吸収と、対側である右の不全片麻痺から、被殻出血が最も考えられる。

頭部単純CT水平断(基底核レベル)で、患者の左側(画像に向かって右側)の側脳室外側、レンズ核(被殻)付近に境界比較的明瞭な類円形の高吸収(白色)病変を認める。出血はCTで発症直後から高吸収として描出されるため、発症後6時間の時点でこの所見を示すことは急性期血腫に合致し、その局在が被殻に一致するので被殻出血と考えられる。患者は突然の右不全片麻痺で搬送されており、左半球の病変が対側(右)の運動麻痺を来す解剖学的関係(被殻の内側にある内包後脚が圧排・破壊される)とも合致する。視床出血であれば側脳室に接する内側(第3脳室脇)に出血がみられるが、本病変は側脳室の外側にあり位置が異なる。脳梗塞は発症後6時間程度の超急性期では単純CTの変化に乏しく、認められても淡く不明瞭な低吸収にとどまり、本例のような明瞭な高吸収にはならない。くも膜下出血なら脳溝や脳槽など髄液腔に沿った高吸収を示し、慢性硬膜下血腫なら頭蓋骨内板に沿う三日月形の貯留を示すうえ数週間以上の経過をとるため、突然発症・発症後6時間という経過とも合わない。したがって最も考えられるのは被殻出血である。

✗ 1. 誤り
視床出血
視床は側脳室に接する内側の構造で、出血なら第3脳室脇の内側に高吸収を示す。本画像の高吸収は側脳室の外側にあり位置が合わない
✓ 2. 正しい
被殻出血
患者左側(画像右側)の側脳室外側・レンズ核(被殻)付近に類円形の高吸収を認める。出血は発症直後から高吸収を示すため発症後6時間の急性期血腫として矛盾せず、左半球病変により対側の右不全片麻痺を来す点、突然発症の経過とも合致する
✗ 3. 誤り
皮質下梗塞
脳梗塞は発症後6時間程度の超急性期では単純CTの変化に乏しく、みられても淡く不明瞭な低吸収にとどまる。本病変は境界の明瞭な高吸収(白色)であり、梗塞ではなく出血の所見
✗ 4. 誤り
くも膜下出血
くも膜下出血では脳溝・シルビウス裂・脳底槽など髄液腔に沿った高吸収を示す。本画像は脳実質内の限局性高吸収で、くも膜下腔の出血像はない
✗ 5. 誤り
慢性硬膜下血腫
慢性硬膜下血腫は軽微な外傷から数週間以上かけて生じ、頭蓋骨内板に沿った三日月形の貯留として描出される。突然発症で発症後6時間という経過と合わず、本画像にもそのような硬膜下の血腫はない
ポイント
  • 被殻出血=高血圧性脳出血で最多
  • 被殻(レンズ核外側)の高吸収域
  • 出血は発症直後からCTで高吸収、梗塞は超急性期のCTでは捉えにくい
  • 内包障害で対側片麻痺
比較表
脳出血・血腫のCT局在
疾患CT所見
被殻出血レンズ核外側の高吸収
視床出血視床(内側)の高吸収
くも膜下出血脳槽・脳溝の高吸収
慢性硬膜下血腫内板に沿う三日月状血腫
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