学習トップ理由で解く 作業療法士第11章 ▸ 実地 / QO52P001

理由で解く 作業療法士

QO52P001 作業療法評価学

出典:第52回作業療法士国家試験(2017)午後 問1
問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 1
2 2
3 3
4 4
5 5
解答
正解4(4)
解説

ROM測定は「運動名」だけでなく基本軸・移動軸・測定肢位の3点セットで正誤を判断する。股関節屈曲は背臥位・膝屈曲位、基本軸=体幹平行線、移動軸=大腿骨が要点。上肢では手関節掌背屈が橈骨-第2中手骨(橈側基準)、肩水平屈伸が矢状面への垂直線を基本軸とする点が狙われやすい。

日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の関節可動域測定法では、各運動ごとに基本軸(実線)と移動軸(破線)、測定肢位が厳密に定められている。正答は4の股関節屈曲で、背臥位・膝屈曲位で基本軸=体幹に平行な線、移動軸=大腿骨(大転子と大腿骨外顆の中心を結ぶ線)とする標準法どおりに図示されている(膝を屈曲させるのは大腿後面のハムストリングス緊張による制限を除くため)。他は基準と食い違う。1の肩甲帯屈曲は基本軸=両側の肩峰を結ぶ線・移動軸=頭頂と肩峰を結ぶ線が正しいが、図はこの軸を結んでいない。2の肩関節水平伸展は肩90°外転位で基本軸=肩峰を通る「矢状面」への垂直線が正しいが、図は「前額面」への垂直線になっている。3の手関節伸展(背屈)は基本軸=橈骨・移動軸=第2中手骨(橈側)が正しいが、図は尺骨・第5中手骨(尺側)で描かれている。5の足部内転は基本軸が第2中足骨長軸(2022年改訂前は第1・第2中足骨間の中央線)とされるが、図は第2・第3中足骨間の中央線になっている。したがって正しく描かれているのは4のみである。

✗ 1. 誤り
1
正しくは基本軸=両側の肩峰を結ぶ線、移動軸=頭頂と肩峰を結ぶ線(上方から見る)だが、図は基本軸が両肩峰を結ばず移動軸も頭頂-肩峰を結んでおらず、軸設定が基準に合致しない
✗ 2. 誤り
2
正しくは肩90°外転位で基本軸=肩峰を通る矢状面への垂直線・移動軸=上腕骨だが、図は基本軸が前額面への垂直線となり開始肢位・軸が基準と異なる
✗ 3. 誤り
3
手関節伸展(背屈):正しくは基本軸=橈骨・移動軸=第2中手骨(橈側基準)だが、図は基本軸が尺骨・移動軸が第5中手骨(尺側基準)になっており基準と逆の側で描かれている
✓ 4. 正しい
4
基本軸=体幹に平行な線、移動軸=大腿骨で、背臥位・膝屈曲位の標準的測定として図示が正しい
✗ 5. 誤り
5
正しい基準軸(第2中足骨長軸/改訂前は第1・第2中足骨間の中央線)に対し、図は第2・第3中足骨の間の中央線を軸としており基準と一致しない
ポイント
  • ROM測定は基本軸・移動軸・基本肢位が学会基準で規定
  • 0°基準は原則として解剖学的肢位
  • 代償運動を排除した肢位で測定する
比較表
ROM測定の基本要素
要素内容
基本軸近位側に固定する基準軸
移動軸遠位側の動く分節に沿う軸
基本肢位原則0°=解剖学的肢位
測定面矢状面・前額面・水平面を運動に応じ選択
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