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理由で解く 臨床医学総論

Q28H049 診察の方法

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題49
問題
疾患と視診所見の組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 アジソン病――――――――恥毛脱落
2 バセドウ病――――――――眉弓部突出
3 クッシング病―――――――水牛様脂質沈着
4 甲状腺機能低下症―――――眉毛外側1/3 脱落
解答
正解2(バセドウ病――――――――眉弓部突出)
解説

眉弓部(眉の上の骨の隆起)の突出は成長ホルモンの過剰による先端巨大症などでみられる顔貌の変化であり、バセドウ病の所見ではない。バセドウ病で特徴的な視診所見は眼球突出である。

バセドウ病は甲状腺刺激ホルモン受容体に対する自己抗体(Ⅴ型アレルギー)によって甲状腺機能が亢進する疾患で、動悸・体重減少・手指振戦とともに眼球突出がみられる。残る3つは組合せとして成り立つ。アジソン病は副腎皮質の機能低下で、副腎から出るアンドロゲンが減るため女性では恥毛や腋毛が脱落し、あわせて全身の色素沈着がみられる。クッシング病は下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン過剰によりコルチゾールが過剰となる病態で、中心性肥満・満月様顔貌・皮膚線条とともに後頸部から肩にかけて脂肪が沈着する(水牛様の脂肪沈着)。甲状腺機能低下症では皮膚の乾燥や粘液水腫とともに眉毛の外側1/3が抜ける。内分泌疾患は「どのホルモンが多いか少ないか」から見た目の変化を組み立てると、丸暗記せずに整理できる。

✗ 1. 正しい
アジソン病――――――――恥毛脱落
アジソン病は副腎皮質の機能低下で、副腎由来のアンドロゲンが減るため、女性では恥毛・腋毛の脱落がみられる。全身の色素沈着とあわせて特徴的な所見であり、組合せとして成り立つ。
✓ 2. 誤り
バセドウ病――――――――眉弓部突出
眉弓部の突出は成長ホルモンの過剰による先端巨大症などでみられる顔貌の変化であり、バセドウ病の所見ではない。バセドウ病で特徴的なのは眼球突出で、動悸・体重減少・手指振戦を伴う。突出する部位が眉の上か眼球かで取り違えないようにしたい。
✗ 3. 正しい
クッシング病―――――――水牛様脂質沈着
クッシング病は下垂体からの副腎皮質刺激ホルモン過剰によりコルチゾールが過剰となる病態で、中心性肥満・満月様顔貌・皮膚線条とともに、後頸部から肩にかけての脂肪沈着(水牛様)がみられる。組合せとして成り立つ。
✗ 4. 正しい
甲状腺機能低下症―――――眉毛外側1/3 脱落
甲状腺機能低下症では、皮膚の乾燥・粘液水腫などとともに眉毛の外側1/3が脱落する。寒がり・徐脈・動作緩慢などの全身症状とあわせて確認したい所見であり、組合せとして成り立つ。
ポイント
  • バセドウ病=甲状腺機能亢進。眼球突出・動悸・体重減少・手指振戦(眉弓部突出ではない)。
  • 眉弓部の突出は成長ホルモン過剰(先端巨大症)でみられる顔貌の変化。
  • アジソン病=副腎皮質機能低下。全身の色素沈着と、女性で目立つ恥毛・腋毛の脱落。
  • クッシング病=コルチゾール過剰。中心性肥満・満月様顔貌・皮膚線条・後頸部の脂肪沈着。
  • 甲状腺機能低下症=眉毛外側1/3の脱落・皮膚乾燥・粘液水腫。
  • 重要用語: バセドウ病, 眼球突出, アジソン病, クッシング病, 甲状腺機能低下症, 先端巨大症 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患ホルモンの状態特徴的な視診所見
アジソン病副腎皮質ホルモンの低下全身の色素沈着、恥毛・腋毛の脱落(女性で目立つ)
バセドウ病甲状腺ホルモンの過剰眼球突出、手指振戦、体重減少
クッシング病副腎皮質刺激ホルモン→コルチゾールの過剰満月様顔貌、中心性肥満、後頸部の脂肪沈着、皮膚線条
甲状腺機能低下症甲状腺ホルモンの低下眉毛外側1/3の脱落、皮膚乾燥、粘液水腫
先端巨大症成長ホルモンの過剰眉弓部の突出、下顎の突出、手足の肥大
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