学習トップ理由で解く 臨床医学各論第13章 ▸ B. 一般外科 / Q1325

理由で解く 臨床医学各論

Q1325 その他の領域

出典:あマ指 第3回(1995) 問題96
問題
熱傷について正しい記述はどれか。
選択肢
1 第1 度熱傷では水疱ができる。
2 受傷面積が体表の20%以内なら軽傷である。
3 重傷熱傷では低蛋白血症になる。
4 熱傷の皮膚は感染しにくい。
解答
正解3(重傷熱傷では低蛋白血症になる)
解説
✗ 1. 誤り
第1 度熱傷では水疱ができる。
I度熱傷(第1度熱傷)は表皮基底層・真皮乳頭層の炎症レベルであり、受傷部皮膚の発赤のみ、浮腫・疼痛を伴う。水疱は形成されない。水疱形成はII度熱傷(浅達性・深達性)の特徴であり、真皮網状層まで損傷が及ぶことで出現する。
✗ 2. 誤り
受傷面積が体表の20%以内なら軽傷である。
成人でII度ないしIII度の熱傷による受傷面積が体表の15%になると既にショックに陥る危険性がかなり大きい。20%は決して軽傷ではなく、全身管理が必要な重症熱傷に該当する。広範囲熱傷では早期に点滴路を確保して輸液を開始する必要がある。
✓ 3. 正しい
重傷熱傷では低蛋白血症になる。
重症熱傷では熱傷創面から大量の血漿成分(蛋白質・水分)が漏出するため低蛋白血症を来す。血管透過性の亢進によりアルブミンなどの血漿蛋白が失われ、循環血漿量も減少する。これがショックの主要な原因となる。十分な点滴と新鮮凍結血漿(FFP)、ヘスパンダー、低分子デキストランなどの輸液を要する。
✗ 4. 誤り
熱傷の皮膚は感染しにくい。
熱傷面は皮膚のバリア機能が破壊されているため細菌感染が極めて起こりやすい。栄養管理と感染防止に努める。ことに破傷風対策も忘れてはならない。感染を疑う場合にはゲーベンクリームに変更し温浴療法を併用する、熱傷感染は重大な合併症である。
ポイント
  • 重症熱傷では血管透過性亢進により血漿蛋白が漏出し、低蛋白血症と循環血液量減少(ショック)をきたす。
  • I度熱傷は発赤のみで水疱を形成せず、水疱形成はII度熱傷の特徴である。
  • II度以上の熱傷で受傷面積が体表の15%を超えるとショックの危険性が高まり、早期の輸液が必要となる。
  • 重要用語: 熱傷深度、低蛋白血症、血漿漏出、熱傷ショック を正確に理解しておくこと。
比較表
熱傷深達度 損傷レベル 臨床症状 治癒期間
I度 表皮・真皮乳頭層 発赤のみ、水疱なし 数日
浅達性II度 真皮網状層中層 水疱形成、真皮発色 1~2週間
深達性II度 真皮網状層下層 水疱形成、白色貧血状 3~4週間
III度 真皮全層・皮下 羊皮紙様、無痛 1~数カ月
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題96|熱傷について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題96|熱傷について正しい記述はどれか。
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