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理由で解く 臨床医学各論

Q1177 神経疾患

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題72
問題
筋萎縮性側索硬化症で最も侵されやすい脳神経核はどれか。
選択肢
1 動眼神経核
2 三叉神経運動核
3 顔面神経核
4 舌下神経核
解答
正解4(舌下神経核)
解説
✗ 1. 誤り
動眼神経核
動眼神経核(第III脳神経核)はALSで侵されにくい神経核の代表であり、眼球運動は最後まで保たれることが多い。 眼球運動障害はALSの陰性4徴候の一つであり、人工呼吸器装着下の超長期生存例でのみ出現しうる。動眼神経核が保たれる理由は完全には解明されていない。
✗ 2. 誤り
三叉神経運動核
三叉神経運動核(第V脳神経の運動枝)もALSで障害されることがあるが、咬筋の筋力低下として現れる。 舌下神経核ほどの高頻度ではなく、ALSで「最も」侵されやすい脳神経核としては舌下神経核が該当する。開口障害や咬合力低下は比較的後期の症状である。
✗ 3. 誤り
顔面神経核
顔面神経核(第VII脳神経核)も進行例で障害されることがあるが、初期から侵されることは少ない。 ALSでは橋・延髄の運動神経核のうち、延髄に位置する舌下神経核が最も早期に障害される。顔面神経核は橋に位置する。
✓ 4. 正しい
舌下神経核
舌下神経核(第XII脳神経核)はALSにおいて最も侵されやすい脳神経核である。 舌下神経核は延髄に位置し、舌筋を支配する。障害されると舌の萎縮・線維束性攣縮がみられ、挺舌困難となる。ALSの球麻痺症状(構音障害・嚥下障害)の主要な原因となり、約25%の症例で球麻痺が初発症状となる。
ポイント
  • ALSで最も侵されやすい脳神経核は舌下神経核(XII)であり、舌萎縮・線維束性攣縮・挺舌困難がみられる
  • 動眼神経核(III)は侵されにくく、眼球運動障害は陰性4徴候の一つとして出現しないのが特徴
  • 球麻痺症状(構音障害・嚥下障害)は約25%で初発症状となり、予後を左右する
  • 重要用語: 舌下神経核, 球麻痺, 舌萎縮, 眼球運動障害なし を正確に理解しておくこと。
比較表
脳神経核 脳神経番号 位置 ALSでの障害
舌下神経核 XII 延髄 最も侵されやすい
三叉神経運動核 V 進行例で障害あり
顔面神経核 VII 後期に障害されうる
動眼神経核 III 中脳 侵されにくい(陰性4徴候)
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題72|筋萎縮性側索硬化症で最も侵されやすい脳神経核はどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題72|筋萎縮性側索硬化症で最も侵されやすい脳神経核はどれか。
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