学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ F. 認知症性疾患 / Q1146

理由で解く 臨床医学各論

Q1146 神経疾患

出典:鍼灸 第17回(2009) 問題80
問題
「69歳の女性。10年前から高血圧症にて内服加療中。時々右上下肢のしびれを自覚していたが、最近物忘れがひどくなってきた。また、わけもなく泣いたりすることも多い。物忘れが多いわりに判断力は保たれている。」この症例に対する対応で適切でないのはどれか。
選択肢
1 要求があった場合は、それを満たすように対応する。
2 失敗した時は叱る。
3 外出を希望した場合は、断らず付き合う。
4 簡単な仕事を与え、それができればほめる。
解答
正解2(失敗した時は叱る。)
解説
✗ 1.
要求があった場合は、それを満たすように対応する。
✗ 正しい。本人の要求を可能な限り満たすように対応することは、安心感を与え情緒の安定につながる。 認知症患者は自分の状態に不安を感じていることが多く、要求に応えることで信頼関係が維持される。適切な対応である。
✓ 2. 誤り
失敗した時は叱る。
失敗した時に叱ることは認知症患者の対応として最も不適切である。 叱責は患者の不安・焦燥・混乱を増大させ、BPSD(行動・心理症状)の悪化を招く。 認知症患者は失敗を自覚できないことが多く、叱られても改善にはつながらず、自尊心の低下や抑うつ状態を引き起こす原因となる。
✗ 3.
外出を希望した場合は、断らず付き合う。
✗ 正しい。外出希望に付き添うことは、活動性の維持と安全確保を両立する適切な対応である。 閉じ込めるような対応は患者のストレスを増大させ、徘徊などの問題行動を助長する可能性がある。
✗ 4.
簡単な仕事を与え、それができればほめる。
✗ 正しい。簡単な仕事を与えてほめることは、残存機能の活用と自尊心の維持に有効な適切な対応である。 成功体験を積み重ねることで生活意欲を保ち、認知機能低下の進行抑制にもつながる。
ポイント
  • 認知症患者への対応の基本原則は「否定しない」「叱らない」「自尊心を保つ」「できることを認める」である。
  • 叱責や否定的な関わりはBPSD(興奮・攻撃性・抑うつなど)を悪化させるため厳禁である。
  • 残存機能を活かす関わり(簡単な役割を与える、ほめる)は認知機能の維持にも有効である。
  • 重要用語: 認知症ケアの基本姿勢, BPSD, 自尊心の維持 を正確に理解しておくこと。
比較表
対応方法 適切性 理由
要求を満たすよう対応する 適切 安心感を与え情緒の安定につながる
失敗した時に叱る 不適切 不安・混乱を増大させBPSDを悪化させる
外出希望に付き添う 適切 活動性維持と安全確保の両立
簡単な仕事を与えほめる 適切 残存機能の活用と自尊心の維持
解説画像
鍼灸 第17回(2009) 問題80|「69歳の女性。10年前から高血圧症にて内服加療中。時々右上下肢のしびれを自覚していたが、最近物忘れがひどくなってきた。また、わけもなく泣いたりすることも多い。物忘れが多いわりに判断力は保たれている。」この症例に対する対応で適切でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第17回(2009) 問題80|「69歳の女性。10年前から高血圧症にて内服加療中。時々右上下肢のしびれを自覚していたが、最近物忘れがひどくなってきた。また、わけもなく泣いたりすることも多い。物忘れが多いわりに判断力は保たれている。」この症例に対する対応で適切でないのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手