学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1082

理由で解く 臨床医学各論

Q1082 神経疾患

出典:あマ指 第29回(2021) 問題52
問題
脳塞栓について正しいのはどれか。
選択肢
1 緩徐に発症する。
2 激しい頭痛を伴う。
3 心房細動に合併する。
4 高血圧はリスクファクターである。
解答
正解3(心房細動に合併する)
解説
✗ 1. 誤り
緩徐に発症する。
脳塞栓は突然発症で数分以内に症状が完成するのが最大の特徴である。心臓内や頸動脈・大動脈弓の血栓が剥離して塞栓子となり、脳血管を突然閉塞するため、発症が急激である。緩徐に発症するのはアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞の特徴である。
✗ 2. 誤り
激しい頭痛を伴う。
激しい頭痛を伴うのはクモ膜下出血(「ハンマーで殴られたような」突然の頭痛)や脳出血の特徴である。脳塞栓を含む脳梗塞では通常、激しい頭痛は認めない。ただし、出血性梗塞に移行した場合には頭痛を伴うことがある。
✓ 3. 正しい
心房細動に合併する。
脳塞栓は心房細動に合併することが最も多い。心房細動では心房が有効に収縮せず左房内に血流のうっ滞が生じ、血栓が形成されやすい。この血栓が剥離して脳動脈に飛来し閉塞を起こす。その他、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、感染性心内膜炎なども原因となる。脳塞栓予防のために心房細動患者には抗凝固療法(ワーファリンなど)が重要である。
✗ 4. 誤り
高血圧はリスクファクターである。
高血圧はアテローム血栓性脳梗塞やラクナ梗塞の重要なリスクファクターである。脳塞栓の主なリスクファクターは心房細動などの心疾患であり、高血圧は脳塞栓の直接的なリスクファクターではない。
ポイント
  • 脳塞栓は突然発症で、心房細動がもっとも重要な原因疾患
  • 脳塞栓の予防には抗凝固療法、脳血栓の予防には抗血小板薬が用いられる
  • 脳塞栓は出血性梗塞に移行しやすい(閉塞血管の再開通による)
  • 重要用語: 脳塞栓, 心房細動, 抗凝固療法, 出血性梗塞, 突然発症 を正確に理解しておくこと。
比較表
脳血管障害 発症様式 頭痛 主な原因・特徴
脳塞栓 突然発症(数分で完成) 通常なし 心房細動、出血性梗塞に移行しやすい
アテローム血栓性脳梗塞 段階的に進行 通常なし 動脈硬化、高血圧
脳出血 突然発症 激しい頭痛 高血圧、被殻出血が最多
クモ膜下出血 突然発症 激烈な頭痛 脳動脈瘤の破裂
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題52|脳塞栓について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題52|脳塞栓について正しいのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手