学習トップ理由で解く 臨床医学各論第11章 ▸ A. 脳血管疾患 / Q1057

理由で解く 臨床医学各論

Q1057 神経疾患

出典:あマ指 第3回(1995) 問題87
問題
坐骨神経痛をきたしにくい疾患はどれか。
選択肢
1 悪性腫瘍の骨転移
2 腰椎椎間板ヘルニア
3 帯状疱疹
4 閉塞性動脈硬化症
解答
正解4(閉塞性動脈硬化症)
解説
✗ 1.
悪性腫瘍の骨転移
✗ 正しい。悪性腫瘍が腰椎や仙椎に骨転移すると、神経根を圧迫・浸潤し、坐骨神経痛をきたすことがある。特に前立腺癌や肺癌、乳癌などの脊椎転移では、腰仙部の神経根症状として坐骨神経痛を呈する場合がある。
✗ 2.
腰椎椎間板ヘルニア
✗ 正しい。腰椎椎間板ヘルニアは坐骨神経痛の最も多い原因である。特にL4/5やL5/S1レベルでの椎間板突出により神経根が圧迫され、下肢の放散痛(坐骨神経痛)が出現する。下肢伸展挙上テスト(SLRテスト)が陽性となる。
✗ 3.
帯状疱疹
✗ 正しい。帯状疱疹が腰仙部のデルマトーム(皮膚分節)に発症すると、坐骨神経の走行に沿った神経痛を呈することがある。帯状疱疹は知覚神経節に潜伏した水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症する。
✓ 4. 誤り
閉塞性動脈硬化症
閉塞性動脈硬化症(ASO)は下肢動脈の粥状動脈硬化による狭窄・閉塞で血行障害をきたす疾患であり、間欠跛行が主症状である。間欠跛行は歩行時の下肢筋の虚血性疼痛であり、神経根刺激による坐骨神経痛とは病態が根本的に異なる。ASOの痛みは血管性の虚血性疼痛であり、坐骨神経痛はきたしにくい。
ポイント
  • 坐骨神経痛は神経根の圧迫や炎症が原因であり、血管性の虚血とは機序が異なる。閉塞性動脈硬化症の間欠跛行と坐骨神経痛を混同しないこと。
  • 間欠跛行の鑑別:血管性(ASO)と神経性(腰部脊柱管狭窄症)がある。ASOでは足背動脈の触知減弱やABI低下がみられる。
  • 坐骨神経痛の原因疾患として腰椎椎間板ヘルニア(最多)、悪性腫瘍の骨転移、帯状疱疹などがあるが、ASOは含まれない。
  • 重要用語: 閉塞性動脈硬化症, 間欠跛行, 坐骨神経痛, 腰椎椎間板ヘルニア, 血行障害 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第3回(1995) 問題87|坐骨神経痛をきたしにくい疾患はどれか。 解説図
あマ指 第3回(1995) 問題87|坐骨神経痛をきたしにくい疾患はどれか。
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