学習トップ理由で解く 臨床医学各論第10章 ▸ A. 赤血球疾患 / Q0982

理由で解く 臨床医学各論

Q0982 血液・造血器疾患

出典:あマ指 第10回(2002) 問題84
問題
血液疾患で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 鉄欠乏性貧血 ― スプーン様爪変形
2 悪性貧血 ― ビタミンB2欠乏
3 再生不良性貧血 ― 末梢血汎血球減少
4 紫斑病 ― 血小板異常
解答
正解2(悪性貧血 ― ビタミンB2 欠乏)
解説
✗ 1.
鉄欠乏性貧血 ― スプーン様爪変形
✗ 正しい。鉄欠乏性貧血では鉄不足により爪が薄く脆くなり、スプーン様(匙状爪)に変形する。爪が反り返って中央が凹む特徴的な所見で、鉄欠乏性貧血に特異的な症状の一つである。舌炎や嚥下障害(プランマー・ビンソン症候群)も鉄欠乏に特有の症状である。
✓ 2. 誤り
悪性貧血 ― ビタミンB2欠乏
悪性貧血はビタミンB2欠乏ではなくビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血である。胃の内因子欠乏によりビタミンB12の回腸での吸収が障害され、核酸代謝障害を来す。ビタミンB2(リボフラビン)欠乏は口角炎・舌炎・脂漏性皮膚炎を来すが、貧血の原因とはならない。
✗ 3.
再生不良性貧血 ― 末梢血汎血球減少
✗ 正しい。再生不良性貧血は骨髄の多能性造血幹細胞の障害により、末梢血で赤血球・白血球・血小板すべてが減少する汎血球減少を呈する。骨髄が低形成となり脂肪髄化するため、全ての血球系統の産生が低下する。血清鉄・フェリチンは上昇する。
✗ 4.
紫斑病 ― 血小板異常
✗ 正しい。紫斑病は血小板の量的異常(減少)や質的異常(機能障害)により出血傾向をきたす疾患群の総称である。ITP(特発性血小板減少性紫斑病)では血小板に対する自己抗体により血小板が減少し、皮膚・粘膜の点状出血や斑状出血を生じる。
ポイント
  • 悪性貧血の原因はビタミンB12欠乏であり、B2欠乏ではない。ビタミンB群の番号を混同しないよう注意する。
  • ビタミンB群の欠乏症の整理:B1(脚気)、B2(口角炎)、B6(鉄芽球性貧血)、B12(悪性貧血)、葉酸(巨赤芽球性貧血)。
  • 鉄欠乏性貧血に特異的な症状にはスプーン状爪、舌炎、嚥下障害がある。
  • 重要用語: 悪性貧血, ビタミンB12, ビタミンB2, 匙状爪 を正確に理解しておくこと。
比較表
ビタミン 欠乏症 主な症状
ビタミンB1(チアミン) 脚気、ウェルニッケ脳症 末梢神経炎、心不全、眼球運動障害
ビタミンB2(リボフラビン) 口角炎、舌炎 口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎
ビタミンB6(ピリドキシン) 鉄芽球性貧血 貧血、末梢神経炎
ビタミンB12(コバラミン) 悪性貧血 大球性貧血、ハンター舌炎、神経障害
葉酸 巨赤芽球性貧血 大球性貧血
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題84|血液疾患で誤っている組合せはどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題84|血液疾患で誤っている組合せはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 臨床医学各論
App Store入手