学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ D. 血圧異常 / Q0972

理由で解く 臨床医学各論

Q0972 循環器疾患

出典:鍼灸 第34回(2026) 問題59
問題
高血圧症について最も適切なのはどれか。
選択肢
1 常習的飲酒は血圧低下を生じる。
2 運動は危険因子である。
3 収縮期血圧の治療目標は140mmHg以下である。
4 安静時血圧に基づいて薬物治療を行う。
解答
正解4(安静時血圧に基づいて薬物治療を行う)
解説
✗ 1. 誤り
常習的飲酒は血圧低下を生じる。
常習的飲酒は血圧低下ではなく血圧上昇を生じる。少量の飲酒では一過性に血管拡張して血圧が低下することもあるが、習慣的な大量飲酒は交感神経活動の亢進やレニン・アンジオテンシン系の活性化により血圧を上昇させる。アルコール多飲は高血圧に影響する要因の一つであり、1日1合前後に制限すべきである。
✗ 2. 誤り
運動は危険因子である。
適度な運動は高血圧の危険因子ではなく、むしろ血圧を低下させる効果がある。有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)を定期的に行うことで、安静時血圧が低下する。運動療法は高血圧の非薬物療法として推奨されている。ただし、過度な無酸素運動は一過性に血圧を上昇させるため注意が必要である。運動不足が高血圧の危険因子である。
✗ 3. 誤り
収縮期血圧の治療目標は140mmHg以下である。
高血圧治療ガイドラインでは降圧目標は130/80mmHg未満が標準的な目標とされている。140mmHg以下では不十分であり、より厳格な血圧管理が推奨される。ただし75歳以上の高齢者では140/90mmHg未満を目標とする場合もある。
✓ 4. 正しい
安静時血圧に基づいて薬物治療を行う。
高血圧の薬物治療は安静時血圧に基づいて行う。血圧測定は安静時に測定し、常に高値を示す場合を高血圧とする。診察室での血圧測定や家庭血圧測定により得られた安静時の血圧値を基準として、薬物治療の開始や薬剤の調整を行う。一時的に高値を示しても高血圧とはしない。白衣高血圧(約20%の患者でみられる)にも注意が必要である。
ポイント
  • 高血圧の薬物治療は安静時血圧に基づいて判断する(運動時や一時的な上昇では判断しない)。白衣高血圧にも留意する。
  • 常習的飲酒は血圧を上昇させる危険因子。適度な運動は血圧を低下させる。運動不足が危険因子である。
  • 降圧目標は130/80mmHg未満が標準(高齢者では140/90mmHg未満の場合もある)。
  • 重要用語: 安静時血圧、降圧目標、白衣高血圧、生活習慣修正、薬物療法 を正確に理解しておくこと。
比較表
分類 収縮期血圧 (mmHg) 拡張期血圧 (mmHg)
至適血圧 <120 かつ <80
正常血圧 <130 かつ <85
正常高値血圧 130〜139 または 85〜89
I度高血圧 140〜159 または 90〜99
II度高血圧 160〜179 または 100〜109
III度高血圧 ≧180 または ≧110
解説画像
鍼灸 第34回(2026) 問題59|高血圧症について最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第34回(2026) 問題59|高血圧症について最も適切なのはどれか。
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