学習トップ理由で解く 臨床医学各論第9章 ▸ B. 冠動脈疾患 / Q0942

理由で解く 臨床医学各論

Q0942 循環器疾患

出典:鍼灸 第10回(2002) 問題75
問題
心電図で異常Q波が出現する疾患はどれか。
選択肢
1 心筋梗塞
2 狭心症
3 急性心膜炎
4 慢性収縮性心膜炎
解答
正解1(心筋梗塞)
解説
✓ 1. 正しい
心筋梗塞
心筋梗塞(特に貫壁性梗塞)では心筋の壊死により電気的活動が消失した部位に対応する誘導で異常Q波が出現する。異常Q波は心筋壊死を示す確定的な心電図所見であり、心電図変化の経過としてはST上昇→T波陰性化→異常Q波→冠性T波の順で出現する。異常Q波は梗塞が治癒した後も残存することが多く、陳旧性心筋梗塞の診断にも有用である。
✗ 2. 誤り
狭心症
狭心症は一過性の心筋虚血であり、心筋壊死は生じない。心電図では発作時に心内膜下虚血によるST低下やT波変化がみられることがあるが、虚血が解除されれば正常に回復する。心筋壊死がないため異常Q波は出現しない。
✗ 3. 誤り
急性心膜炎
急性心膜炎では心膜の炎症を反映して広汎な(多くの誘導にわたる)ST上昇がみられるのが特徴的所見であるが、心筋壊死は生じないため異常Q波は出現しない。心筋梗塞のST上昇との鑑別が重要である。
✗ 4. 誤り
慢性収縮性心膜炎
慢性収縮性心膜炎では心膜の線維化・石灰化により心臓の拡張が制限される。心電図では低電位やT波の平坦化・陰転化がみられることがあるが、心筋壊死は生じないため異常Q波は出現しない。
ポイント
  • 異常Q波が出現するのは「心筋梗塞」のみである。心筋壊死(不可逆的変化)がなければ異常Q波は出現しない。狭心症(一過性虚血)や心膜炎では壊死がないため出現しない。
  • 心筋梗塞と急性心膜炎はともにST上昇を示すが、心膜炎は広汎なST上昇で異常Q波なし、心筋梗塞は限局したST上昇で異常Q波ありという違いがある。
  • 心筋梗塞の心電図変化の経時的変化:ST上昇(超急性期)→T波陰性化→異常Q波→冠性T波。異常Q波は梗塞治癒後も残存することが多い。
  • 重要用語: 異常Q波, 心筋壊死, 心筋梗塞, ST上昇, 心膜炎 を正確に理解しておくこと。
解説画像
鍼灸 第10回(2002) 問題75|心電図で異常Q波が出現する疾患はどれか。 解説図
鍼灸 第10回(2002) 問題75|心電図で異常Q波が出現する疾患はどれか。
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