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理由で解く 臨床医学各論

Q0937 循環器疾患

出典:あマ指 第4回(1996) 問題77
問題
心筋梗塞について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 アテローム硬化が関与する。
2 心筋の壊死を伴う。
3 ニトログリセリンを治療薬として用いる。
4 白血球増多がみられる。
解答
正解3(ニトログリセリンを治療薬として用いる。)
解説
✗ 1.
アテローム硬化が関与する。
✗ 正しい。この記述は正しい。心筋梗塞は冠動脈のアテローム硬化(粥状動脈硬化)を基盤として発症する。内膜に蓄積した脂質性プラークが破裂し、そこに血栓が形成されて冠血流が途絶することで心筋壊死が生じる。動脈硬化の危険因子(高脂血症、高血圧、糖尿病、喫煙など)の管理が予防に重要である。
✗ 2.
心筋の壊死を伴う。
✗ 正しい。この記述は正しい。心筋梗塞では冠動脈の完全閉塞により支配領域の心筋が不可逆的な壊死に陥る。血管閉塞が30分以上経過すると心筋壊死が生じ始め、心内膜下から心筋全層へと梗塞が進展する。心筋壊死によりCK、GOT、トロポニンTなどの心筋逸脱酵素が血中に放出される。
✓ 3. 誤り
ニトログリセリンを治療薬として用いる。
ニトログリセリンは狭心症の発作時に舌下投与で有効な治療薬であるが、心筋梗塞では冠動脈の完全閉塞による心筋壊死が生じており、ニトログリセリンによる冠動脈拡張だけでは改善しない。心筋梗塞の治療は早期の再灌流療法(経皮的冠動脈形成術:PTCA、血栓溶解療法としてウロキナーゼや組織プラスミノーゲン・アクチベーターなど)が中心であり、ニトログリセリンは治療薬としての位置づけではない。
✗ 4.
白血球増多がみられる。
✗ 正しい。この記述は正しい。心筋梗塞では心筋壊死に対する炎症反応として白血球増多がみられる。発症後数時間以内に上昇し、通常は数日で正常化する。赤沈促進やCRP上昇などの炎症マーカーも認められる。
ポイント
  • 狭心症と心筋梗塞のニトログリセリンへの反応の違いは最重要鑑別ポイント。狭心症=ニトログリセリン有効、心筋梗塞=ニトログリセリン無効。
  • 心筋梗塞の治療は再灌流療法が最も重要であり、発症後12時間以内(早いほど有効)に経皮的冠動脈形成術(PTCA)を行うことが予後を改善する。
  • 発症後30〜40%の患者が1時間以内に死亡するとされ、CCU(冠動脈疾患集中治療室)での初期治療が極めて重要である。
  • 重要用語: ニトログリセリン, 再灌流療法, PTCA, アテローム硬化, 心筋壊死 を正確に理解しておくこと。
解説画像
あマ指 第4回(1996) 問題77|心筋梗塞について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第4回(1996) 問題77|心筋梗塞について誤っている記述はどれか。
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