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理由で解く 臨床医学各論

Q0928 循環器疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題62
問題
62 急性心筋梗塞で上昇する血液検査項目として最も適切なのはどれか。
選択肢
1 γ-GTP
2 ALP
3 ALT
4 AST
解答
正解4(AST)
解説
✗ 1. 誤り
γ-GTP
γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)は肝胆道系疾患で上昇する酵素であり、特にアルコール性肝障害や胆汁うっ滞で著明に上昇する。 心筋梗塞で特異的に上昇する酵素ではない。 飲酒量のスクリーニング指標としても広く用いられる。
✗ 2. 誤り
ALP
ALP(アルカリホスファターゼ)は肝胆道系疾患(特に閉塞性黄疸)や骨疾患で上昇する酵素である。 心筋梗塞の診断指標としては用いられない。 胆管閉塞時にγ-GTPとともに上昇するパターンが特徴的である。
✗ 3. 誤り
ALT
ALT(GPT)は主に肝細胞に多く含まれ、肝細胞障害の指標として肝臓に特異性が高い。 心筋にも少量含まれるが、ASTに比べて心筋での含有量は少ないため、心筋梗塞の指標としては不適切である。 ウイルス性肝炎などの急性肝障害ではALTがASTよりも高値となる(AST/ALT比<1)。
✓ 4. 正しい
AST
AST(GOT)は心筋に多く含まれる酵素であり、急性心筋梗塞で心筋壊死が起こると血中に逸脱して上昇する。 ASTは発症後6〜12時間で上昇し始め、24〜48時間でピークとなり、3〜5日で正常化する。 ただしASTは肝臓にも多く含まれるため心筋梗塞に特異的ではなく、CK(CK-MB)やトロポニンがより特異的な心筋マーカーとして用いられる。
ポイント
  • ASTは心筋と肝臓の両方に多く含まれるため、心筋梗塞でも肝障害でも上昇する。ALTは肝臓に特異性が高いため、AST/ALT比が1以上で心筋障害やアルコール性肝障害を示唆する。
  • 心筋梗塞のマーカーとしてはCK-MB、トロポニンT/Iがより特異性が高い。逸脱酵素の臓器特異性を整理しておくこと。
  • γ-GTPはアルコール性肝障害の指標、ALPは閉塞性黄疸の指標であり、心筋梗塞とは無関係である点を明確にすること。
  • 重要用語: AST, ALT, CK-MB, トロポニン, 逸脱酵素の臓器特異性 を正確に理解しておくこと。
比較表
酵素 主な上昇疾患 臓器特異性
AST(GOT) 心筋梗塞、肝障害 心筋、肝臓、骨格筋
ALT(GPT) 肝障害 肝臓に特異性が高い
γ-GTP アルコール性肝障害、胆汁うっ滞 肝胆道系
ALP 閉塞性黄疸、骨疾患 肝胆道系、骨
CK-MB 急性心筋梗塞 心筋に特異性が高い
トロポニンT/I 急性心筋梗塞 心筋に最も特異的
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題62|62 急性心筋梗塞で上昇する血液検査項目として最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題62|62 急性心筋梗塞で上昇する血液検査項目として最も適切なのはどれか。
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