学習トップ理由で解く 臨床医学各論第7章 ▸ D. 尿酸代謝異常 / Q0583

理由で解く 臨床医学各論

Q0583 代謝・栄養疾患

出典:あマ指 第18回(2010) 問題77
問題
痛風について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 ピロリン酸カルシウムの沈着がみられる。
2 発作の好発部位は中足指節関節部である。
3 耳介に皮下結節がみられる。
4 エックス線では関節に小円形の打ち抜き像がみられる。
解答
正解1(ピロリン酸カルシウムの沈着がみられる)
解説
✓ 1. 誤り
ピロリン酸カルシウムの沈着がみられる。
痛風で関節内に沈着するのは尿酸ナトリウム結晶であり、ピロリン酸カルシウムではない。ピロリン酸カルシウム(CPPD:calcium pyrophosphate dihydrate)の関節内沈着がみられるのは偽痛風(CPPD沈着症、軟骨石灰化症)である。痛風と偽痛風は原因結晶、好発部位、好発年齢が異なるため明確に区別する。
✗ 2.
発作の好発部位は中足指節関節部である。
✗ 正しい。痛風発作の好発部位は第1中足趾節関節(母趾MTP関節)であり、約70%の初発発作がこの部位に起こる。突然の激痛・発赤・腫脹・熱感を呈し、触れるだけで激痛を感じるほどの強い炎症が特徴的である。
✗ 3.
耳介に皮下結節がみられる。
✗ 正しい。痛風が慢性化すると、尿酸ナトリウム結晶が皮下組織に蓄積して痛風結節(tophi)を形成する。好発部位は耳介、肘頭部、アキレス腱付着部、指関節などの皮膚温が低い部位である。痛風結節は白色のチョーク様物質を含む無痛性の硬い結節である。
✗ 4.
エックス線では関節に小円形の打ち抜き像がみられる。
✗ 正しい。X線検査では関節周囲骨に小円形の打ち抜き像(パンチアウトレジョン:punched-out lesion)がみられる。これは尿酸塩結晶が骨を侵食することで生じる骨びらんであり、痛風に特徴的なX線所見である。
ポイント
  • 痛風は尿酸ナトリウム結晶、偽痛風はピロリン酸カルシウム結晶の沈着であり、この区別は最頻出テーマの一つである。
  • 痛風の特徴的所見として、母趾MTP関節の急性関節炎、耳介の痛風結節、X線での打ち抜き像の3つをセットで覚えておくこと。
  • 重要用語: 痛風、尿酸ナトリウム結晶、偽痛風、ピロリン酸カルシウム(CPPD)、打ち抜き像、痛風結節 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 痛風 偽痛風(CPPD沈着症)
原因結晶 尿酸ナトリウム ピロリン酸カルシウム
好発部位 第1中足趾節関節(母趾) 膝関節
好発年齢・性別 中年男性(30〜50歳代) 高齢者(男女差少ない)
血清尿酸値 上昇(7.0mg/dL以上) 正常
X線所見 打ち抜き像(パンチアウト) 軟骨石灰化(線状石灰化)
結節 痛風結節(耳介・肘頭) なし
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題77|痛風について誤っている記述はどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題77|痛風について誤っている記述はどれか。
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