学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ B. 甲状腺疾患 / Q0484

理由で解く 臨床医学各論

Q0484 内分泌疾患

出典:あマ指 第24回(2016) 問題71
問題
「36歳の女性。発汗過多、心悸亢進を主訴に来院した。食欲はあるが体重は減少傾向で、興奮しやすい。手指には振戦がみられた。血圧は正常、心電図検査では洞性頻脈が認められた。」本疾患の治療として適切なのはどれか。
選択肢
1 ホルモン補充療法
2 抗甲状腺薬
3 抗生物質
4 副腎皮質ステロイド薬
解答
正解2(抗甲状腺薬)
解説
✗ 1. 誤り
ホルモン補充療法
ホルモン補充療法(甲状腺ホルモン薬の投与)は甲状腺機能低下症に対する治療法である。 本症例は甲状腺機能亢進症であり、ホルモンを補充すると症状が悪化するため逆効果である。
✓ 2. 正しい
抗甲状腺薬
本症例はバセドウ病(甲状腺機能亢進症)であり、抗甲状腺薬が薬物療法の第一選択となる。 抗甲状腺薬にはチアマゾール(メルカゾール)とプロピルチオウラシル(PTU)があり、甲状腺ホルモンの合成を抑制する。 薬物療法のほかに放射性ヨード治療や外科的療法(甲状腺摘出術)も治療選択肢に含まれる。
✗ 3. 誤り
抗生物質
抗生物質は細菌感染症に対する治療薬である。 バセドウ病は自己免疫疾患であり、抗生物質は無効である。
✗ 4. 誤り
副腎皮質ステロイド薬
副腎皮質ステロイド薬は膠原病や重症のアレルギー疾患などに用いられる。 バセドウ病の第一選択薬ではない(甲状腺クリーゼなどの重症例では使用されることがある)。
ポイント
  • バセドウ病の治療は抗甲状腺薬(チアマゾール・PTU)による薬物療法が第一選択である
  • 放射性ヨード治療・外科手術も治療選択肢に含まれ、状況に応じて使い分ける
  • ホルモン補充療法は甲状腺機能低下症の治療であり、亢進症と低下症の治療を混同しないこと
  • チアマゾールの副作用として無顆粒球症があり、定期的な血液検査が必要である
  • 重要用語: 抗甲状腺薬, チアマゾール, プロピルチオウラシル, 放射性ヨード治療 を正確に理解しておくこと。
比較表
治療法 内容 適応
抗甲状腺薬 チアマゾール・PTU(ホルモン合成抑制) 第一選択・薬物療法
放射性ヨード治療 131Iによる甲状腺組織の破壊 薬物療法無効例・再発例
外科手術 甲状腺亜全摘出術 大きな甲状腺腫・薬物無効例
ホルモン補充療法 レボチロキシン投与 甲状腺機能低下症(本症例には不適)
解説画像
あマ指 第24回(2016) 問題71|「36歳の女性。発汗過多、心悸亢進を主訴に来院した。食欲はあるが体重は減少傾向で、興奮しやすい。手指には振戦がみられた。血圧は正常、心電図検査では洞性頻脈が認められた。」本疾患の治療として適切なのはどれか。 解説図
あマ指 第24回(2016) 問題71|「36歳の女性。発汗過多、心悸亢進を主訴に来院した。食欲はあるが体重は減少傾向で、興奮しやすい。手指には振戦がみられた。血圧は正常、心電図検査では洞性頻脈が認められた。」本疾患の治療として適切なのはどれか。
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