学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ B. 甲状腺疾患 / Q0466

理由で解く 臨床医学各論

Q0466 内分泌疾患

出典:あマ指 第11回(2003) 問題79
問題
副甲状腺腫大を起こすのはどれか。
選択肢
1 心不全
2 呼吸不全
3 肝不全
4 腎不全
解答
正解4(腎不全)
解説
✗ 1. 誤り
心不全
心不全では心拍出量低下に伴ううっ血症状(肺水腫・浮腫など)が主体であり、カルシウム代謝の著しい異常は生じず、副甲状腺腫大の原因にはならない。
✗ 2. 誤り
呼吸不全
呼吸不全ではガス交換障害による低酸素血症・高炭酸ガス血症が問題となるが、副甲状腺への直接的な影響は少なく、副甲状腺腫大の原因にはならない。
✗ 3. 誤り
肝不全
肝不全ではビタミンDの25位水酸化(活性化の第一段階)が障害されうるが、副甲状腺腫大の主因にはなりにくい。肝不全では凝固因子産生低下・低アルブミン血症・黄疸などが主な病態である。
✓ 4. 正しい
腎不全
腎不全では腎臓での1α水酸化酵素活性が低下し、活性型ビタミンD(1,25-(OH)2D3)の産生が低下する。同時にリン排泄障害による高リン血症も加わり、低カルシウム血症をきたす。これに対する代償反応としてPTH分泌が持続的に亢進し、副甲状腺が反応性に過形成・腫大する(二次性副甲状腺機能亢進症)。この病態は腎性骨異栄養症の原因となる。
ポイント
  • 腎不全による副甲状腺腫大の機序は、活性型ビタミンD産生低下とリン排泄障害による低Ca血症→PTH分泌亢進→副甲状腺過形成である
  • 二次性副甲状腺機能亢進症では骨吸収亢進・線維性骨炎・血管石灰化などが生じ、透析患者の重要な合併症となる
  • 長期にわたるPTH亢進により副甲状腺が自律的に腫大すると、三次性副甲状腺機能亢進症となることがある
比較表
臓器不全 副甲状腺への影響 機序
腎不全 腫大あり(二次性亢進症) 活性型VitD産生低下→低Ca→PTH亢進
肝不全 軽度の影響 25-OH VitD産生低下
心不全 影響なし Ca代謝に直接関与しない
呼吸不全 影響なし Ca代謝に直接関与しない
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題79|副甲状腺腫大を起こすのはどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題79|副甲状腺腫大を起こすのはどれか。
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