学習トップ理由で解く 臨床医学各論第6章 ▸ B. 甲状腺疾患 / Q0454

理由で解く 臨床医学各論

Q0454 内分泌疾患

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題87
問題
内分泌疾患について誤っているのはどれか。
選択肢
1 バセドウ病は男性に多い。
2 粘液水腫では甲状腺ホルモンの分泌障害がある。
3 尿崩症では抗利尿ホルモンの分泌障害がある。
4 褐色細胞腫では血圧が上昇する。
解答
正解1(バセドウ病は男性に多い。)
解説
✓ 1. 誤り
バセドウ病は男性に多い。
バセドウ病(グレーブス病)は女性に多い甲状腺機能亢進症であり、男女比は1:5~7で圧倒的に女性優位である。「男性に多い」という記述は誤りである。TSH受容体に対する自己抗体(抗TSH受容体抗体:TRAb)により甲状腺が持続的に刺激され、甲状腺ホルモンが過剰分泌される自己免疫疾患である。
✗ 2.
粘液水腫では甲状腺ホルモンの分泌障害がある。
✗ 正しい。粘液水腫は成人の甲状腺機能低下症であり、甲状腺ホルモンの分泌が障害される。ムコ多糖類が皮下組織に沈着して圧痕を残さない硬い浮腫を呈し、寒がり・便秘・徐脈・活動性低下・皮膚乾燥などがみられる。
✗ 3.
尿崩症では抗利尿ホルモンの分泌障害がある。
✗ 正しい。尿崩症は下垂体後葉からの抗利尿ホルモン(ADH、バソプレシン)の分泌低下(中枢性)または腎での作用不全(腎性)により、腎臓での水再吸収が障害され多尿(1日5L以上)となる。
✗ 4.
褐色細胞腫では血圧が上昇する。
✗ 正しい。褐色細胞腫は副腎髄質または傍神経節のクロム親和性組織から発生する腫瘍で、カテコールアミン(アドレナリン・ノルアドレナリン)を過剰分泌し、発作性または持続性の高血圧を呈する。頭痛・発汗・動悸が三主徴である。
ポイント
  • バセドウ病は女性に多い(男女比1:5~7)自己免疫疾患であり、三主徴はびまん性甲状腺腫・眼球突出・頻脈(メルセブルグの三徴)
  • 粘液水腫の浮腫は圧痕を残さない硬い浮腫(non-pitting edema)で、腎性浮腫や心性浮腫の圧痕性浮腫と鑑別する
  • 甲状腺疾患(バセドウ病・橋本病)は総じて女性に多く、自己免疫機序が関与する
  • 重要用語: バセドウ病, 女性優位, 粘液水腫, 抗TSH受容体抗体 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 性差 ホルモン異常 主症状
バセドウ病 女性に多い(1:5~7) 甲状腺ホルモン過剰 頻脈、体重減少、眼球突出
粘液水腫 女性に多い 甲状腺ホルモン不足 硬い浮腫、寒がり、徐脈
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題87|内分泌疾患について誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題87|内分泌疾患について誤っているのはどれか。
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