学習トップ理由で解く 臨床医学各論第5章 ▸ C. 感染症 / Q0422

理由で解く 臨床医学各論

Q0422 腎・泌尿器疾患

出典:鍼灸 第8回(2000) 問題70
問題
腎盂腎炎を起こしにくいのはどれか。
選択肢
1 馬蹄腎
2 尿路結石
3 膀胱尿管逆流現象
4 尿崩症
解答
正解4(尿崩症)
解説
✗ 1.
馬蹄腎
✗ 正しい。馬蹄腎は両側腎臓の下極が正中で癒合した先天性奇形で、尿管の走行異常や圧迫により尿の通過障害・尿停滞が起こりやすい。尿の停滞は細菌増殖の温床となるため腎盂腎炎の原因となる。
✗ 2.
尿路結石
✗ 正しい。尿路結石は尿管や腎盂に結石が嵌頓することで尿流障害を起こし、尿停滞により細菌の増殖を助長する。また結石表面に細菌が付着しやすく感染の温床となるため、腎盂腎炎の原因となる。
✗ 3.
膀胱尿管逆流現象
✗ 正しい。膀胱尿管逆流現象(VUR: vesicoureteral reflux)は膀胱尿管移行部の弁機構が不全で、排尿時に膀胱内の尿が尿管・腎盂に逆流する病態である。膀胱内の感染尿が腎盂に逆流することで上行性感染を起こし、腎盂腎炎の重要な原因となる。
✓ 4. 誤り
尿崩症
尿崩症は下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン(ADH、バソプレシン)の分泌低下または作用不全により、腎臓での水再吸収が障害され多尿・口渇を呈する疾患である。尿量は増加するが尿路の通過障害や逆流を起こさず、また尿は希釈されているため、腎盂腎炎の誘因にはなりにくい。
ポイント
  • 腎盂腎炎の誘因は尿路の通過障害(結石・奇形)、尿の逆流(VUR)、尿停滞(神経因性膀胱・前立腺肥大)である
  • 尿崩症は多尿を呈するが尿路の器質的異常や機能的障害を伴わないため、むしろ尿が洗い流されて感染リスクは低い
  • 馬蹄腎は最も多い腎臓の先天性奇形で、尿管走行異常による尿停滞が感染の誘因となる
  • 重要用語: 尿崩症, 尿路通過障害, 膀胱尿管逆流, 馬蹄腎 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患・病態 腎盂腎炎リスク 機序
馬蹄腎 高い 尿管走行異常→尿停滞→細菌増殖
尿路結石 高い 尿流障害→尿停滞→細菌付着
膀胱尿管逆流 高い 感染尿の逆流→上行性感染
尿崩症 低い 尿路障害なし、尿は希釈されている
解説画像
鍼灸 第8回(2000) 問題70|腎盂腎炎を起こしにくいのはどれか。 解説図
鍼灸 第8回(2000) 問題70|腎盂腎炎を起こしにくいのはどれか。
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