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理由で解く 臨床医学各論

Q0417 腎・泌尿器疾患

出典:鍼灸 第29回(2021) 問題56
問題
急性膀胱炎について正しいのはどれか。
選択肢
1 男性に多い。
2 排尿後の痛みが多い。
3 原因菌は黄色ブドウ球菌が多い。
4 水分はあまり摂らない方がよい。
解答
正解2(排尿後の痛みが多い。)
解説
✗ 1. 誤り
男性に多い。
急性膀胱炎は女性に圧倒的に多い。女性は尿道が短く(約4cm)、肛門に近いため、腸内細菌(特に大腸菌)が膀胱に上行しやすい。男性は尿道が長い(約20cm)ため、膀胱炎になりにくい。
✓ 2. 正しい
排尿後の痛みが多い。
急性膀胱炎では排尿終末時の痛みが特徴的である。排尿の終わりに膀胱が収縮する際、炎症を起こした膀胱粘膜が刺激されて痛みが生じる。これを排尿終末時痛といい、膀胱炎に特徴的な症状である。頻尿、排尿痛、残尿感、尿意切迫感とともに膀胱炎の主要症状である。
✗ 3. 誤り
原因菌は黄色ブドウ球菌が多い。
急性膀胱炎の原因菌は大腸菌が約80%と最も多い。大腸菌は腸内常在菌であり、会陰部から尿道を上行して膀胱に感染する。黄色ブドウ球菌は主に皮膚・軟部組織感染や院内感染の原因菌である。
✗ 4. 誤り
水分はあまり摂らない方がよい。
急性膀胱炎では十分な水分摂取が推奨される。尿量を増やすことで膀胱内の細菌を洗い流し(自然利尿による洗浄効果)、治癒を促進する。水分制限は細菌の増殖を助長するため逆効果である。
ポイント
  • 急性膀胱炎の特徴的症状は「排尿終末時痛」「頻尿」「残尿感」であり、発熱は通常みられない。発熱があれば上行感染による腎盂腎炎を考える。
  • 原因菌は大腸菌(約80%)が最多であることを確実に覚えること。
  • 女性に圧倒的に多い理由は、尿道が短く(約4cm)、肛門に近い解剖学的特徴による。十分な水分摂取で膀胱内細菌を洗い流すことが治療・予防に有効。
  • 重要用語: 排尿終末時痛, 大腸菌, 女性に好発, 水分摂取推奨 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 急性膀胱炎 急性腎盂腎炎
発熱 通常なし 高熱(38度以上)
主な症状 排尿終末時痛・頻尿・残尿感 腰背部痛・悪寒・嘔吐
原因菌 大腸菌(約80%) 大腸菌(約80%)
好発 女性 女性
解説画像
鍼灸 第29回(2021) 問題56|急性膀胱炎について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第29回(2021) 問題56|急性膀胱炎について正しいのはどれか。
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