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理由で解く 臨床医学各論

Q0365 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題54
問題
気管支拡張症について正しいのはどれか。
選択肢
1 気道の変化は不可逆性である。
2 小児喘息の既往をもつことが多い。
3 喀血をきたすことはない。
4 治療は抗菌薬を短期投与する。
解答
正解1(気道の変化は不可逆性である。)
解説
✓ 1. 正しい
気道の変化は不可逆性である。
気管支拡張症では気管支壁の筋性成分と弾性成分が破壊され、気管支腔が異常に拡張した状態となる。 この変化は不可逆的であり、一度拡張した気管支は元に戻らない。 繰り返す気道感染や気道閉塞により気管支壁が破壊・線維化して永続的に拡張するのが本疾患の本質的な病態である。
✗ 2. 誤り
小児喘息の既往をもつことが多い。
気管支拡張症の原因として重要なのは小児期の重症気道感染(肺炎・百日咳・麻疹など)であり、小児喘息の既往とは直接的な関連は薄い。 免疫不全、線毛運動の機能異常(Kartagener症候群)、慢性副鼻腔炎も原因として知られている。 小児喘息は可逆的な気道閉塞を特徴とする疾患であり、気管支拡張症の不可逆的変化とは病態が異なる。
✗ 3. 誤り
喀血をきたすことはない。
気管支拡張症では喀血をきたすことがある。 拡張した気管支壁に走行する血管(気管支動脈)が気道の炎症により破綻して血痰・喀血を認める場合があり、時に大量喀血をきたすこともある。 喀血は気管支拡張症の重要な症状の一つである。
✗ 4. 誤り
治療は抗菌薬を短期投与する。
気管支拡張症の治療は短期投与のみでは不十分であり、長期的な管理が必要である。 急性増悪時には抗菌薬を投与するが、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が喀痰量を減少させる効果があり、体位ドレナージによる排痰も重要な治療法である。 根本的な治癒は困難であり、感染管理と排痰を中心とした継続的な治療が必要となる。
ポイント
  • 気管支拡張症では気管支壁の破壊による気道の変化は不可逆的であり、一度拡張した気管支は元に戻らない。
  • 喀血をきたすこともあり、治療には長期的な管理(マクロライド少量長期投与、体位ドレナージ)が必要である。
  • 原因は小児期の重症気道感染、免疫不全、線毛運動異常、慢性副鼻腔炎などであり、小児喘息の既往との直接的な関連は薄い。
  • 重要用語: 気管支拡張症, 不可逆性変化, 喀血, マクロライド少量長期投与, 体位ドレナージ を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 気管支拡張症 気管支喘息(参考)
気道の変化 不可逆性(永続的拡張) 可逆性(発作時の狭窄)
主な症状 多量の膿性痰・喀血 発作性の呼吸困難・喘鳴
原因 小児期肺炎・免疫不全・副鼻腔炎 アレルギー・気道過敏性
治療 マクロライド少量長期投与・体位ドレナージ 吸入ステロイド・気管支拡張薬
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題54|気管支拡張症について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題54|気管支拡張症について正しいのはどれか。
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