学習トップ理由で解く 臨床医学各論第4章 ▸ D. その他の呼吸器疾患 / Q0362

理由で解く 臨床医学各論

Q0362 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題61
問題
肺癌患者にみられる所見と浸潤部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 嗄声 ― 交感神経
2 顔面浮腫 ― 上大静脈
3 縮瞳 ― 反回神経
4 腰痛 ― 横隔神経
解答
正解2(顔面浮腫——上大静脈)
解説
✗ 1. 誤り
嗄声 ― 交感神経
嗄声は反回神経(迷走神経の枝)の浸潤により声帯麻痺が生じて出現するものであり、交感神経の浸潤ではない。 交感神経の浸潤で生じるのはホルネル症候群(縮瞳・眼裂狭小・眼球陥凹・無汗症)である。 嗄声と交感神経の組合せは誤りであり、正しくは嗄声と反回神経の対応である。
✓ 2. 正しい
顔面浮腫 ― 上大静脈
肺癌が上大静脈を圧迫・浸潤すると静脈還流障害が生じ、上大静脈症候群として顔面浮腫・頸静脈怒張・上肢浮腫が出現する。 上半身からの静脈血が心臓に還流できなくなることで、顔面や上肢にうっ血性の浮腫が生じる。 右上葉の肺癌や縦隔リンパ節転移で起こりやすく、この組合せは正しい。
✗ 3. 誤り
縮瞳 ― 反回神経
縮瞳はホルネル症候群の所見であり、交感神経(星状神経節)への浸潤で生じる。反回神経の浸潤ではない。 反回神経浸潤で生じるのは嗄声であり、選択肢1と3で嗄声と縮瞳の浸潤部位が入れ替わっている。 この入れ替えパターンは国試で頻出の引っかけ問題である。
✗ 4. 誤り
腰痛 ― 横隔神経
横隔神経が浸潤されると横隔膜麻痺(横隔膜挙上)が生じるのであり、腰痛とは直接関連しない。 腰痛は骨転移(腰椎転移)などで生じうるが、横隔神経浸潤の症状ではない。 横隔神経浸潤では呼吸時の横隔膜運動が消失し、しゃっくりを伴うこともある。
ポイント
  • 顔面浮腫は上大静脈の圧迫・浸潤による上大静脈症候群の所見であり、この組合せが正しい。
  • 嗄声は反回神経、縮瞳は交感神経、横隔膜挙上は横隔神経の浸潤で生じ、それぞれの対応を正確に覚える。
  • 嗄声(反回神経)と縮瞳(交感神経)の組合せを入れ替える引っかけパターンは国試頻出であるため注意する。
  • 重要用語: 上大静脈症候群, 顔面浮腫, 反回神経, 交感神経, 横隔神経 を正確に理解しておくこと。
比較表
所見 正しい浸潤部位
嗄声 反回神経(迷走神経の枝)
顔面浮腫 上大静脈
縮瞳 交感神経(星状神経節)
横隔膜挙上 横隔神経
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題61|肺癌患者にみられる所見と浸潤部位の組合せで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題61|肺癌患者にみられる所見と浸潤部位の組合せで正しいのはどれか。
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