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理由で解く 臨床医学各論

Q0344 呼吸器疾患

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題76
問題
肋間神経ブロック後に突然の咳、胸痛、呼吸困難を生じた。最も考えられるのはどれか。
選択肢
1 気胸
2 気管支喘息発作
3 急性心筋梗塞
4 解離性大動脈瘤破裂
解答
正解1(気胸)
解説
✓ 1. 正しい
気胸
肋間神経ブロック後に突然の咳・胸痛・呼吸困難が出現した場合、注射針が胸腔に達して肺を穿刺したことによる気胸が最も考えられる。 肋間神経は肋骨下縁を走行しており、ブロック時に針が深く入りすぎると壁側胸膜・臓側胸膜を貫通して肺を損傷しうる。 胸膜に知覚神経があるため突然の胸痛を訴え、その後空咳や息苦しさが出現する。 鍼灸治療においても同様のリスクがあり、鍼が深く刺入されすぎた場合に気胸を生じうる。
✗ 2. 誤り
気管支喘息発作
気管支喘息発作はアレルゲン曝露や気道過敏性に関連して生じるものであり、肋間神経ブロックの手技とは直接関連しない。 喘息発作では喘鳴が特徴的であり、突然の胸痛で始まることは少ない。 手技後に突発する呼吸器症状としては、気胸を優先的に疑うべきである。
✗ 3. 誤り
急性心筋梗塞
急性心筋梗塞は冠動脈の急性閉塞によるものであり、肋間神経ブロックの合併症としては生じない。 胸痛の性状は前胸部の絞扼感・圧迫感が中心であり、手技直後に発症する因果関係は考えにくい。 冷汗・嘔気・左肩への放散痛が特徴的な随伴症状である。
✗ 4. 誤り
解離性大動脈瘤破裂
解離性大動脈瘤破裂は大動脈壁の中膜の解離によるものであり、肋間神経ブロックの合併症としては通常生じない。 背部の激痛(引き裂かれるような痛み)が特徴であり、高血圧が最大のリスク因子である。 手技との因果関係はなく、この状況では考えにくい。
ポイント
  • 肋間神経ブロックや鍼治療後の突然の咳・胸痛・呼吸困難は、針による胸膜損傷に伴う気胸を最も考える。鍼灸師の施術でも同様のリスクがあり、臨床上重要である。
  • 気胸の3徴は「突然の胸痛」「空咳」「呼吸困難」であり、安静時に突発する点が特徴的である。
  • 手技後の合併症として気胸を疑った場合は、速やかに胸部X線撮影を行い、肺の虚脱の有無を確認する。
  • 重要用語: 気胸, 肋間神経ブロック, 胸膜損傷, 突然の胸痛・空咳・呼吸困難 を正確に理解しておくこと。
比較表
疾患 胸痛の特徴 随伴症状 誘因
気胸 突然の胸痛 空咳、呼吸困難 穿刺・外傷、自然発症
気管支喘息 胸部絞扼感(軽度) 喘鳴、呼気延長 アレルゲン、運動
急性心筋梗塞 前胸部の圧迫感 冷汗、嘔気、左肩放散 動脈硬化
大動脈解離 背部の引き裂かれる痛み 血圧左右差 高血圧
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題76|肋間神経ブロック後に突然の咳、胸痛、呼吸困難を生じた。最も考えられるのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題76|肋間神経ブロック後に突然の咳、胸痛、呼吸困難を生じた。最も考えられるのはどれか。
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