学習トップ理由で解く 臨床医学各論第2章 ▸ C. 胃・十二指腸疾患 / Q0131

理由で解く 臨床医学各論

Q0131 消化管疾患

出典:鍼灸 第25回(2017) 問題79
問題
「45歳の男性。最近、心窩部から背中の皮膚にかけて痛みが起きる。胸やけ、食欲不振もある。上部消化管内視鏡検査では、胃角部に潰瘍を認め、ヘリコバクター・ピロリの感染を疑った。」本症例の背中の皮膚の痛みで最も適切なのはどれか。
選択肢
1 空腹時に起こる。
2 関連痛である。
3 体性痛である。
4 内臓痛である。
解答
正解2(関連痛である。)
解説
✗ 1. 誤り
空腹時に起こる。
空腹時に痛みが増強するのは十二指腸潰瘍の特徴である。本症例は胃角部の潰瘍であり、胃潰瘍では食後の心窩部痛が特徴。胃潰瘍の痛みは食後に増悪することが多く、空腹時痛は当てはまらない。
✓ 2. 正しい
関連痛である。
胃潰瘍による背中の皮膚の痛みは関連痛(放散痛)である。関連痛とは、内臓からの痛覚インパルスが脊髄後角で体性感覚神経と収束(convergence)するために、実際には内臓に原因があるにもかかわらず体表面の特定部位に痛みが投影される現象である。胃潰瘍では心窩部の内臓痛が脊髄分節を介して背部の皮膚に関連痛として放散する。
✗ 3. 誤り
体性痛である。
体性痛は皮膚・筋肉・骨膜・関節包など体性組織の侵害受容器が直接刺激されて生じる痛みであり、局在が明確で鋭い痛みが特徴である。本症例は胃潰瘍が原因であり、背部の体性組織自体が障害されているわけではないため体性痛には該当しない。
✗ 4. 誤り
内臓痛である。
内臓痛は内臓の伸展・攣縮・虚血などにより内臓の侵害受容器が刺激されて生じる痛みで、局在が不明確で鈍い痛みが特徴である。心窩部の痛みは内臓痛に相当するが、「背中の皮膚にかけて」感じる痛みは関連痛として捉えるのが適切である。
ポイント
  • 痛みの分類(内臓痛・体性痛・関連痛)を正確に区別する
  • 重要用語: 関連痛, 内臓痛, 体性痛, 脊髄後角での収束, 放散痛 を正確に理解しておくこと。
比較表
痛みの種類 特徴 具体例
内臓痛 局在不明確、鈍痛、管腔臓器の伸展・攣縮で生じる 胃潰瘍の心窩部痛
体性痛 局在明確、鋭い痛み、体壁組織の障害で生じる 腹膜炎の限局性腹痛
関連痛 病変部位とは離れた体表面に投影される痛み 胃潰瘍 → 背部痛、胆石 → 右肩痛
解説画像
鍼灸 第25回(2017) 問題79|「45歳の男性。最近、心窩部から背中の皮膚にかけて痛みが起きる。胸やけ、食欲不振もある。上部消化管内視鏡検査では、胃角部に潰瘍を認め、ヘリコバクター・ピロリの感染を疑った。」本症例の背中の皮膚の痛みで最も適切なのはどれか。 解説図
鍼灸 第25回(2017) 問題79|「45歳の男性。最近、心窩部から背中の皮膚にかけて痛みが起きる。胸やけ、食欲不振もある。上部消化管内視鏡検査では、胃角部に潰瘍を認め、ヘリコバクター・ピロリの感染を疑った。」本症例の背中の皮膚の痛みで最も適切なのはどれか。
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