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理由で解く 臨床医学各論

Q0001 感染症

出典:あマ指 第14回(2006) 問題78
問題
肺結核について正しい記述はどれか。
選択肢
1 接触感染が多い。
2 感染後の発病率は60%以上である。
3 初発症状は高熱が多い。
4 診断には喀痰培養が有用である。
解答
正解4(診断には喀痰培養が有用である)
解説
✗ 1. 誤り
接触感染が多い。
結核は空気感染(飛沫核感染)であり、接触感染ではない。結核菌を含む飛沫核が空気中を長時間浮遊し、それを吸入することで感染する。飛沫核は直径5μm以下と小さいため、肺胞まで到達する。接触や飛沫では感染しにくい。
✗ 2. 誤り
感染後の発病率は60%以上である。
結核菌に感染しても発病率は約5〜10%であり、60%以上ではない。大部分の感染者は免疫により菌を封じ込め(潜伏感染)、無症状のまま経過する。免疫低下時に内因性再燃として発病することがある。
✗ 3. 誤り
初発症状は高熱が多い。
肺結核の初発症状は微熱・咳嗽・倦怠感など非特異的であり、高熱は少ない。微熱(37℃台)が持続し、咳嗽、喀痰、体重減少、寝汗などがみられる。高熱を伴うことは稀であり、むしろ「かぜ」様の症状が長引くことが特徴的である。
✓ 4. 正しい
診断には喀痰培養が有用である。
肺結核の確定診断には喀痰培養による結核菌の検出が最も確実な方法である。喀痰塗抹検査は迅速だが感度が低く、培養検査により菌の検出と薬剤感受性試験が可能となる。ただし培養には数週間を要する。近年では遺伝子検査(PCR法)や迅速培養法も用いられる。胸部X線検査では空洞形成や粟粒影などが特徴的である。
ポイント
  • 肺結核は空気感染(飛沫核感染)で伝播し、接触感染や飛沫感染ではない
  • 感染後の発病率は約5〜10%と低く、多くは潜伏感染のまま無症状で経過する
  • 初発症状は微熱・咳嗽・倦怠感・体重減少など非特異的で、高熱は少ない
  • 確定診断には喀痰培養が最も確実で、塗抹検査、遺伝子検査、胸部X線検査も併用される
  • 重要用語: 空気感染、喀痰培養、潜伏感染 を正確に理解しておくこと。
比較表
項目 肺結核 かぜ症候群
病原体 結核菌(抗酸菌) ウイルス(ライノウイルスなど)
感染経路 空気感染(飛沫核感染) 飛沫感染・接触感染
初発症状 微熱、慢性咳嗽、体重減少 鼻汁、咽頭痛、微熱
経過 慢性・進行性 急性・1週間で自然治癒
診断 喀痰培養、胸部X線、IGRA 臨床症状
届出 必要(二類感染症) 不要
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題78|肺結核について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題78|肺結核について正しい記述はどれか。
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