学習トップ理由で解く 理学療法士第10章 ▸ 一般 / QP61A026

理由で解く 理学療法士

QP61A026 基礎理学療法学

出典:第61回理学療法士国家試験(2026)午前 問26
問題
運動学習の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 正の転移 ― ソフトボールの経験が野球の投球動作の技能向上を早める。
2 エラーレス学習 ― トレッドミル歩行練習と同時に計算課題を行う。
3 同時フィードバック ― バッティング動作時に動画撮影して終了後に確認する。
4 パフォーマンスの知識 ― 部分荷重練習時に患側下肢の荷重量を伝える。
5 メンタル・プラクティス ― 起居動作練習の時に試行錯誤を繰り返すと失敗数が減少する。
解答
正解1(正の転移 ― ソフトボールの経験が野球の投球動作の技能向上を早める。)
解説

先行課題の学習が後続課題を促進するのが正の転移。他はいずれも用語と説明が食い違う。

運動学習の用語を正しく理解しているかを問う問題である。正の転移とは、ある課題で獲得した技能が別の類似課題の学習を促進する現象で、ソフトボール経験が野球の投球動作習得を早める例はこれに一致する。他の選択肢は用語と内容が対応していない。トレッドミル歩行と計算課題の同時遂行は二重課題(デュアルタスク)、動作後に動画で確認するのは遅延(終末)フィードバック、荷重量という結果の値を伝えるのは結果の知識(KR)、試行錯誤で失敗が減るのは試行錯誤学習であり、いずれも設問の用語とは異なる。

✓ 1. 正しい
正の転移 ― ソフトボールの経験が野球の投球動作の技能向上を早める。
先行技能が後続課題を促進する現象で、ソフトボール経験→野球投球向上は正しい例
✗ 2. 誤り
エラーレス学習 ― トレッドミル歩行練習と同時に計算課題を行う。
誤りを起こさせず正反応を導く学習法。歩行+計算課題は二重課題(デュアルタスク)で誤り
✗ 3. 誤り
同時フィードバック ― バッティング動作時に動画撮影して終了後に確認する。
動作と同時に与える情報。動作後に動画確認するのは遅延(終末)フィードバックで誤り
✗ 4. 誤り
パフォーマンスの知識 ― 部分荷重練習時に患側下肢の荷重量を伝える。
パフォーマンスの知識(KP):動作の質・運動遂行の仕方に関する情報。荷重量という結果値を伝えるのは結果の知識(KR)で誤り
✗ 5. 誤り
メンタル・プラクティス ― 起居動作練習の時に試行錯誤を繰り返すと失敗数が減少する。
運動を実際には行わずイメージする練習。試行錯誤を繰り返すのは試行錯誤学習で誤り
ポイント
  • 正の転移=先行学習が後続課題を促進
  • KP=動作の質、KR=結果(達成度)の情報
  • 同時FB/遅延FB、二重課題、メンタルプラクティスの区別
比較表
運動学習の用語と定義
用語定義・例
正の転移先行技能が後続課題を促進
二重課題運動と認知課題を同時遂行
結果の知識(KR)達成結果(荷重量など)を伝える
パフォーマンスの知識(KP)動作の質・遂行様式を伝える
メンタルプラクティス運動を行わずイメージで練習
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