学習トップ理由で解く 理学療法士第10章 ▸ 実地 / QP61A019

理由で解く 理学療法士

QP61A019 基礎理学療法学

出典:第61回理学療法士国家試験(2026)午前 問19
問題
70歳の男性。陳旧性心筋梗塞。独居生活をしていたが、定期検査のため内科病棟に1週間入院したところ、入院前に比べて階段昇降ができなくなり、歩行距離も30m程度まで低下した。この状態の説明で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 AE〈acute exacerbation〉
2 HAD〈Hospitalization Associated Disability〉
3 ICU‐AW
4 NYHA心機能分類 I
5 PICS〈Post Intensive Care Syndrome〉
解答
正解2(HAD〈Hospitalization Associated Disability〉)
解説

急性疾患ではなく入院・安静に伴い活動が低下し、退院時にADLが入院前より低下した状態が入院関連機能障害(HAD)。高齢者の一般病棟入院で起こる廃用が本質。

本例は検査目的の一般病棟入院にもかかわらず、1週間の安静・不活動で階段昇降不能・歩行距離低下というADL低下を来した。これは入院に伴う活動制限(廃用)でADLが入院前より低下する入院関連機能障害(Hospitalization Associated Disability:HAD)に該当する。高齢者で頻度が高く、集中治療を要さない入院でも生じる点が特徴。AE(急性増悪)は原疾患の悪化を指すが本例は病態悪化ではない。ICU‐AW(ICU関連筋力低下)やPICSは重症でICU管理・人工呼吸などを経た後に生じる病態で、一般病棟入院の本例には当てはまらない。NYHA分類Iは心不全がなく身体活動に制限がない状態を指し、歩行30mまで低下した本例の説明にならない。

✗ 1. 誤り
AE〈acute exacerbation〉
原疾患の急性悪化を指すが、本例は病態悪化ではない
✓ 2. 正しい
HAD〈Hospitalization Associated Disability〉
入院・安静による廃用で退院時ADLが低下した状態に合致
✗ 3. 誤り
ICU‐AW
ICUでの重症病態に伴う筋力低下で、一般病棟入院の本例に非該当
✗ 4. 誤り
NYHA心機能分類 I
活動制限のない状態を指し、ADL低下の説明にならない
✗ 5. 誤り
PICS〈Post Intensive Care Syndrome〉
ICU退室後の身体・認知・精神障害で本例に非該当
ポイント
  • HAD=入院・不活動で入院前よりADLが低下する廃用
  • 一般病棟・非重症でも高齢者に生じる
  • ICU‐AW・PICSは重症/ICU管理後の病態で区別
比較表
紛らわしい入院関連病態
用語発生場面
HAD一般病棟入院・安静での廃用性ADL低下
ICU‐AWICUでの重症病態に伴う筋力低下
PICSICU退室後の身体・認知・精神障害
AE原疾患の急性増悪
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