学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP61A011

理由で解く 理学療法士

QP61A011 理学療法治療学

出典:第61回理学療法士国家試験(2026)午前 問11
問題
NICUに入院中の低出生体重児。在胎週数30週。腹臥位での姿勢を図に示す。この児に対する適切なポジショニングはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 頭部伸展位
2 体幹伸展位
3 肩甲帯前方突出位
4 肩関節外転位
5 股関節内外転中間位
解答
正解3(肩甲帯前方突出位)、5(股関節内外転中間位)
解説

低出生体重児のポジショニングは「屈曲・正中・囲い込み」で子宮内姿勢を再現するのが大原則。伸展・外転を助長する肢位(頭部伸展・体幹伸展・肩関節外転)は避け、肩甲帯前方突出位と股関節内外転中間位で丸まった屈曲位へ誘導する。

在胎30週の低出生体重児は生理的屈曲がまだ十分に発達しておらず、重力に抗しきれずに四肢が伸展・外転・外旋した平坦な姿勢(フラットアウト、上肢のW肢位・下肢のカエル肢位)をとりやすい。NICUでの発達支援的ポジショニングの原則は、子宮内で保たれていた「屈曲・正中・囲い込み(コンテインメント)」の姿勢を再現し、安静保持・自己鎮静と正常な運動発達を支援することにある。この観点から、伸展を強める頭部伸展位(1)・体幹伸展位(2)や、上肢を体幹から離してしまう肩関節外転位(4)はいずれも不適切。適切なのは、上肢を前方・正中へ寄せて胸郭の過伸展を防ぎ手を口元へ運びやすくする肩甲帯前方突出位(3)と、カエル肢位を抑えて屈曲肢位を保つ股関節内外転中間位(5)である。よって正答は3と5。

✗ 1. 誤り
頭部伸展位
頭頸部を伸展させると低出生体重児に特有のフラットアウト(伸展・外転優位)姿勢を助長し、子宮内で保たれていた屈曲・正中位から遠ざける。発達ケアでは頭頸部は軽度屈曲・正中位が望ましく不適切
✗ 2. 誤り
体幹伸展位
体幹の伸展も伸展パターンを強め、生理的屈曲(丸まった姿勢)の再現や安静保持・自己鎮静を妨げるため不適切
✓ 3. 正しい
肩甲帯前方突出位
肩甲帯を前方突出させ上肢を体幹前面・正中へ寄せることで胸郭の過伸展を防ぎ、手を口元へ運ぶ自己鎮静行動を促す。屈曲・正中位への誘導という発達ケアの原則に合致
✗ 4. 誤り
肩関節外転位
肩を強く外転させると上肢が体幹から離れて伸展・外転パターンを助長し、正中位保持や自己鎮静を妨げる。上肢は内転・屈曲位で正中に保持すべき
✓ 5. 正しい
股関節内外転中間位
股関節を内外転中間位に保つと過度の外転・外旋(カエル肢位)を防ぎ、子宮内の屈曲肢位を再現できる。将来的な変形や筋緊張異常の予防にもつながる
ポイント
  • 早産児は屈曲・正中位・囲い込みが原則
  • 伸展・外転・後退パターンを避ける
  • 肩甲帯前方突出+股関節内外転中間位が適切
比較表
早産児ポジショニングの適否
肢位適否理由
頭部・体幹伸展位不適子宮内屈曲位から逸脱
肩甲帯前方突出手を正中・口元へ、屈曲促通
肩関節外転位不適伸展・後退を助長
股関節内外転中間位開排を避け正中保持
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