学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP61A003

理由で解く 理学療法士

QP61A003 理学療法治療学

出典:第61回理学療法士国家試験(2026)午前 問3
問題
52歳の男性。交通事故による下腿切断。完成した義足を図に示す。立脚後期に膝折れが生じた。原因で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 前足部が硬すぎる。
2 靴の踵が低すぎる。
3 足部が底屈しすぎる。
4 ソケットが足部に対して後ろすぎる。
5 ソケットの初期屈曲角が大きすぎる。
解答
正解5(ソケットの初期屈曲角が大きすぎる。)
解説

下腿義足の膝折れ(立脚後期の膝屈曲モーメント増大)はソケット初期屈曲角の過大が原因で、足部底屈・踵低・前足部硬・ソケット後方は逆に膝を伸展(安定)方向へ働かせる。

図は下腿義足(膝下切断用)で、上からソケット、支柱(パイロン/アダプター)、足部で構成される。膝関節は義足部品ではなく患者自身の関節であり、膝折れは義足アライメントによる膝屈曲モーメントの過大で生じる。立脚後期の膝折れ=膝屈曲モーメントの増大が原因である。選択肢のうち、前足部を硬くする・靴の踵を低くする・足部を底屈させる・ソケットを足部に対して後方にする、はいずれも荷重線を膝前方へ移動させ膝伸展モーメント(=膝の安定〜反張膝方向)を生むため、膝折れの原因にはならない。一方、ソケットの初期屈曲角が大きすぎると断端(脛骨・膝)が前傾し荷重線が膝後方を通るため膝屈曲モーメントが増大し膝折れを招く。したがって正答は5。

✗ 1. 誤り
前足部が硬すぎる。
前足部が硬いと踏み返しで背屈しにくく荷重線が膝前方に留まるため膝には伸展モーメントが働き、膝折れは助長されない(むしろ反張膝方向)
✗ 2. 誤り
靴の踵が低すぎる。
踵が低いと足部が相対的に底屈位となり荷重線が膝前方へ移り伸展モーメントとなるため膝折れの原因にならない
✗ 3. 誤り
足部が底屈しすぎる。
足部の底屈は膝に伸展モーメントを生じ膝を安定(反張膝方向)させるため膝折れの原因ではない
✗ 4. 誤り
ソケットが足部に対して後ろすぎる。
ソケット(膝)が足部に対し後方にあると荷重線が膝前方を通り伸展モーメントとなるため、膝折れではなく膝の安定・過伸展を招く
✓ 5. 正しい
ソケットの初期屈曲角が大きすぎる。
初期屈曲角が過大だと下腿(脛骨・膝)が前傾し荷重線が膝後方を通って屈曲モーメントが増大し、立脚後期に膝折れを生じる
ポイント
  • ソケット初期屈曲角過大→立脚期の膝折れ
  • 足部底屈位・足部前方位→膝過伸展(反張膝)
  • 膝折れは床反力が膝軸後方を通ることで起こる
比較表
下腿義足アライメント不良と膝への影響
アライメント不良膝への影響
ソケット初期屈曲角 過大立脚期の膝折れ
足部 底屈位膝過伸展(反張膝)
足部 前方位(ソケット後方)膝伸展・安定
足部 後方位(ソケット前方)膝折れ
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 理学療法士
App Store入手