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理由で解く 理学療法士

QP60P014 理学療法治療学

出典:第60回理学療法士国家試験(2025)午後 問14
問題
75歳の男性。間質性肺疾患で入院中。安静時も頻呼吸で、頸部の呼吸補助筋活動が亢進し、吸気時の胸骨上切痕および鎖骨上窩の陥凹を認める。この患者に対する理学療法で最も適切なのはどれか。
選択肢
1 気道の吸引を行う。
2 上肢の筋力増強運動を行う。
3 腹部引き込み動作の練習を行う。
4 徒手的な胸郭可動域の拡大運動を行う。
5 負荷を加えて吸気筋トレーニングを行う。
解答
正解4(徒手的な胸郭可動域の拡大運動を行う。)
解説

間質性肺疾患は拘束性換気障害で肺・胸郭が硬い。胸郭可動域の維持・拡大により換気効率を保つのが適切。

間質性肺疾患は肺の線維化により肺・胸郭コンプライアンスが低下する拘束性換気障害で、少ない一回換気量を補うため頻呼吸となり、吸気時に補助呼吸筋が過活動して胸骨上切痕・鎖骨上窩が陥凹する。すでに補助筋が過負荷の状態にあるため、さらに吸気筋へ負荷をかけたり酸素需要の高い運動を課すのは逆効果。徒手的胸郭可動域拡大運動で硬くなった胸郭の柔軟性を保ち、限られたコンプライアンスの中で換気効率を高めるのが最も適切である。

✗ 1. 誤り
気道の吸引を行う。
喀痰貯留や湿性ラ音の所見はなく、間質性肺疾患は分泌物過多が主病態でない。適応外
✗ 2. 誤り
上肢の筋力増強運動を行う。
上肢挙上運動は補助呼吸筋の需要と酸素消費を増し、呼吸困難を助長する
✗ 3. 誤り
腹部引き込み動作の練習を行う。
腹部を引き込むと横隔膜下降が妨げられ換気を妨げうる。本病態への第一選択でない
✓ 4. 正しい
徒手的な胸郭可動域の拡大運動を行う。
低下した胸郭コンプライアンスを維持・改善し換気効率を高める。最も適切
✗ 5. 誤り
負荷を加えて吸気筋トレーニングを行う。
すでに補助筋が過活動・過負荷であり、さらなる負荷は疲労・呼吸不全を招く
ポイント
  • 間質性肺疾患=拘束性換気障害(肺・胸郭が硬い)
  • 補助筋過活動・鎖骨上窩陥凹=努力性呼吸
  • 胸郭可動域維持で換気効率を保つ
  • 過負荷の吸気筋トレ・上肢運動は逆効果
比較表
換気障害の分類と特徴
分類代表疾患肺機能
拘束性間質性肺疾患・肺線維症%VC低下(<80%)
閉塞性COPD・気管支喘息1秒率低下(<70%)
混合性進行例など両者の低下
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