学習トップ理由で解く 理学療法士第4章 ▸ 一般 / QP58P083

理由で解く 理学療法士

QP58P083 臨床医学大要

出典:第58回理学療法士国家試験(2023)午後 問83
問題
頸髄損傷完全麻痺(第6頸髄節まで機能残存)の上肢機能で可能なのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 小指の外転
2 母指の内転
3 手関節の背屈
4 肘関節の屈曲
5 中指DIP関節の屈曲
解答
正解3(手関節の背屈)、4(肘関節の屈曲)
解説

C6残存では長・短橈側手根伸筋(C6)による手関節背屈と、上腕二頭筋・腕橈骨筋(C5・C6)による肘屈曲が可能。手関節背屈により腱固定効果(tenodesis)でのつまみが得られる。

第6頸髄節まで機能残存(C6完全損傷)では、上位の残存筋である三角筋・上腕二頭筋・腕橈骨筋(肘屈曲)、長・短橈側手根伸筋(手関節背屈)が働く。手関節背屈は残存機能の中で最も遠位の重要な動作で、これにより腱固定効果を用いた母指と示指のつまみが可能になる。手指の屈曲・内在筋(母指内転、小指外転、DIP屈曲)や手関節掌屈はC7以下の支配で麻痺するため不能である。したがって可能なのは手関節背屈(選択肢3)と肘関節屈曲(選択肢4)である。

✗ 1. 誤り
小指の外転
小指外転筋は尺骨神経(C8・T1)支配で麻痺し不能。
✗ 2. 誤り
母指の内転
母指内転筋は尺骨神経(C8・T1)支配で不能。
✓ 3. 正しい
手関節の背屈
長・短橈側手根伸筋(C6)により可能。C6残存の指標。
✓ 4. 正しい
肘関節の屈曲
上腕二頭筋(C5・C6)・腕橈骨筋(C6)により可能。
✗ 5. 誤り
中指DIP関節の屈曲
深指屈筋(正中・尺骨神経、C8)支配で麻痺し不能。
ポイント
  • C6残存=手関節背屈が可能(ECRL/ECRB)
  • 肘屈曲(C5・C6)も可能
  • 手関節背屈により腱固定効果でのつまみが得られる
比較表
頸髄損傷残存レベルと代表的動作
残存レベル獲得される代表動作
C5肘屈曲(上腕二頭筋)・肩の動き
C6手関節背屈(橈側手根伸筋)・腱固定つまみ
C7肘伸展(上腕三頭筋)・手指伸展
C8手指屈曲(深指屈筋)・把握
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