学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP57A013

理由で解く 理学療法士

QP57A013 理学療法治療学

出典:第57回理学療法士国家試験(2022)午前 問13
問題
76歳の女性。脛骨高原骨折。転倒して受傷し、人工骨を用いた手術を施行された。術後のエックス線写真を図に示す。術後の理学療法で正しいのはどれか。
図
選択肢
1 術後翌日から極超短波治療を行う。
2 術後翌日から足関節自動運動を行う。
3 術後翌日から膝関節伸展の等張性筋力増強練習を行う。
4 術後2週からCPMを行う。
5 術後2週から全荷重歩行を行う。
解答
正解2(術後翌日から足関節自動運動を行う。)
解説

脛骨高原骨折のプレート内固定術後は、固定部より遠位の足関節自動運動を術後翌日から安全に開始できる。

エックス線像では脛骨近位内側にバットレスプレートと複数のスクリューが当てられ、関節面直下に人工骨と思われる充填像を認める、内固定術後の状態である。金属インプラントが体内にあるため、金属を発熱させて熱傷を起こす極超短波は禁忌であり、術後翌日は急性炎症期でもあって温熱自体が不適である(選択肢1)。脛骨高原骨折は関節内骨折であり、膝関節伸展の等張性(抵抗)運動は関節面と固定部に剪断力・圧迫力を加えて整復位を崩す恐れがあるため、術後翌日には行えない(選択肢3)。CPMは関節拘縮を防ぐ目的でむしろ術後数日以内の早期から始めるのが一般的で、術後2週まで待つ設定は遅すぎる(選択肢4)。全荷重歩行は関節面の再陥没を招くため骨癒合を待つのが原則で、通常は数か月にわたり免荷・部分荷重とし、術後2週での全荷重は早すぎる(選択肢5)。これに対し足関節の自動運動は骨折・固定部より遠位の運動であり、整復位や固定材に負荷をかけない。さらに下腿の筋ポンプ作用によって深部静脈血栓症や浮腫の予防にもつながる。したがって術後翌日から安全に開始できる足関節自動運動が正答である。

✗ 1. 誤り
術後翌日から極超短波治療を行う。
脛骨にプレートとスクリューが留置されており、金属が発熱する極超短波は禁忌
✓ 2. 正しい
術後翌日から足関節自動運動を行う。
足関節は固定部より遠位で負荷がかからず、DVT・浮腫予防にもなり術後翌日から可能
✗ 3. 誤り
術後翌日から膝関節伸展の等張性筋力増強練習を行う。
関節内骨折で、膝伸展の等張性運動は関節面と固定部に剪断力を加え早期には不可
✗ 4. 誤り
術後2週からCPMを行う。
CPMは拘縮予防のため術後数日以内に始めるのが一般的で、術後2週からでは遅い
✗ 5. 誤り
術後2週から全荷重歩行を行う。
全荷重は関節面の再陥没を招く。骨癒合を待つのが原則で術後2週では早すぎる
ポイント
  • 脛骨高原骨折=関節内骨折、荷重は段階的に遅らせる
  • 足関節自動運動は早期からDVT・浮腫・拘縮予防に有効
  • 金属インプラントに極超短波は禁忌
  • 初期の筋力増強は等尺性中心、等張性は避ける
比較表
関節内骨折術後リハの原則
項目早期に行う制限・禁忌
可動域足関節自動運動・CPM-
筋力等尺性収縮等張性(関節面に負荷)
荷重段階的(免荷→部分→全)早期全荷重
物理療法-金属固定部への極超短波
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