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理由で解く 理学療法士

QP56P059 解剖学

出典:第56回理学療法士国家試験(2021)午後 問59
問題
尿路について正しいのはどれか。
選択肢
1 膀胱の粘膜は扁平上皮である。
2 外尿道括約筋は横紋筋からなる。
3 尿管内部には逆流防止弁がある。
4 成人の膀胱の最大容量は約1,200mLである。
5 成人の初発尿意は膀胱容量300〜350mLで生じる。
解答
正解2(外尿道括約筋は横紋筋からなる。)
解説

膀胱粘膜は移行上皮(尿路上皮)、内尿道括約筋は平滑筋。尿意は膀胱に尿が一定量たまると生じ、初発尿意はおよそ300mL前後とされる。

膀胱粘膜は伸展に応じて厚みを変える移行上皮(尿路上皮)であり、扁平上皮ではない。尿道括約筋のうち内尿道括約筋は不随意の平滑筋、外尿道括約筋が随意の横紋筋である。尿管には解剖学的な弁は存在せず、尿管が膀胱壁を斜めに貫く走行(尿管膀胱移行部)が機能的な逆流防止機構として働くにとどまる。成人膀胱の最大容量はおよそ500〜800mL程度で、1,200mLは大きすぎる。尿意は膀胱に尿がたまると生じ、初発尿意はおおむね300mL前後(本問では300〜350mL)とされることから、選択肢5に近い値ではあるが、初発尿意の数値は教科書間で幅があり断定できない。本問は厚生労働省により採点除外(正答なし)とされている。

✗ 1. 誤り
膀胱の粘膜は扁平上皮である。
膀胱粘膜は移行上皮(尿路上皮)。扁平上皮ではない
✓ 2. 正しい
外尿道括約筋は横紋筋からなる。
内尿道括約筋は平滑筋(不随意)。横紋筋は外尿道括約筋
✗ 3. 誤り
尿管内部には逆流防止弁がある。
尿管に解剖学的な逆流防止弁はない。膀胱壁を斜めに貫く走行が機能的に逆流を防ぐ
✗ 4. 誤り
成人の膀胱の最大容量は約1,200mLである。
成人膀胱の最大容量は約500〜800mL。1,200mLは過大
✗ 5. 誤り
成人の初発尿意は膀胱容量300〜350mLで生じる。
初発尿意は膀胱容量300〜350mL程度で生じるとされる
本問は厚生労働省が「選択肢に正解がないため」として採点除外とした問題です(第56回理学療法士・作業療法士国家試験 共通 午後 第59問)。原問は5つの選択肢すべてが誤りで正答が存在しないため、演習問題として成立させる目的で、当方が選択肢2のみを最小限で改変しました。変更点は1か所で、選択肢2の「内尿道括約筋は横紋筋からなる。」を「外尿道括約筋は横紋筋からなる。」に改めています(「内」→「外」)。設問文と他の4肢は原問のままです。なお選択肢5「初発尿意は膀胱容量300〜350mL」は、厚生労働省の判断どおり誤りとして扱っています(初発尿意はおよそ150〜250mLで生じるとされます)。
ポイント
  • 膀胱粘膜=移行上皮(尿路上皮)
  • 内尿道括約筋=平滑筋、外尿道括約筋=横紋筋
  • 尿管の逆流防止は斜走行による機能的機構
  • 膀胱最大容量は約500〜800mL
  • 初発尿意は300mL前後
比較表
尿路の構造と排尿の指標
項目内容
膀胱粘膜移行上皮(尿路上皮)
内尿道括約筋平滑筋(不随意)
外尿道括約筋横紋筋(随意)
初発尿意膀胱容量 約300mL前後
最大容量約500〜800mL
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