学習トップ理由で解く 理学療法士第4章 ▸ 一般 / QP55A091

理由で解く 理学療法士

QP55A091 臨床医学大要

出典:第55回理学療法士国家試験(2020)午前 問91
問題
肺塞栓症について誤っているのはどれか。
選択肢
1 肥満が誘因となる。
2 長期臥床が誘因となる。
3 心電図所見は非特異的である。
4 下肢よりも上肢の手術後に多い。
5 深部静脈血栓症との合併が多い。
解答
正解4(下肢よりも上肢の手術後に多い。)
解説

肺塞栓症の塞栓源の多くは下肢・骨盤の深部静脈血栓であり、下肢手術後に多発する。上肢術後よりも下肢術後にはるかに多い。

急性肺血栓塞栓症は、下肢・骨盤の深部静脈血栓症(DVT)が遊離して肺動脈を閉塞する病態で、両者はまとめて静脈血栓塞栓症(VTE)と呼ばれる。血栓形成のVirchow三徴(血流停滞・血管内皮障害・血液凝固能亢進)から、長期臥床・肥満・術後・悪性腫瘍などが誘因となる。塞栓源は下肢深部静脈が圧倒的に多いため、股関節・膝関節などの下肢整形外科手術後に高頻度で発症し、上肢術後よりずっと多い。したがって『下肢よりも上肢の手術後に多い』は誤り。リハビリでは離床時・歩行開始時の急変(呼吸困難・胸痛・失神)に警戒する。

✗ 1. 正しい
肥満が誘因となる。
血流停滞・凝固能亢進をきたしVTEの危険因子(正しい)
✗ 2. 正しい
長期臥床が誘因となる。
下肢の血流停滞をまねく代表的誘因(正しい)
✗ 3. 正しい
心電図所見は非特異的である。
洞性頻脈が最多で、SⅠQⅢTⅢや右心負荷所見は必発でなく非特異的(正しい)
✓ 4. 誤り
下肢よりも上肢の手術後に多い。
塞栓源の多くは下肢深部静脈で、下肢術後に多い(誤り=正答)
✗ 5. 正しい
深部静脈血栓症との合併が多い。
DVTが塞栓源でありVTEとして合併しやすい(正しい)
ポイント
  • 肺塞栓の塞栓源は下肢・骨盤の深部静脈血栓が大半
  • 誘因=長期臥床・肥満・術後・悪性腫瘍(Virchow三徴)
  • 心電図は洞性頻脈が最多で非特異的
  • 離床・歩行開始時の急変に注意
比較表
静脈血栓塞栓症(VTE)の危険因子
区分具体例
血流停滞長期臥床・下肢術後・長時間座位
凝固能亢進悪性腫瘍・脱水・妊娠
血管内皮障害手術・外傷・カテーテル
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