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理由で解く 理学療法士

QP54A056 解剖学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問56
問題
呼吸器で正しいのはどれか。
選択肢
1 鼻前庭は粘膜で覆われている。
2 気管は第4胸椎の高さから始まる。
3 下気道は鼻腔から咽頭までをいう。
4 右主気管支は左主気管支よりも細い。
5 主気管支の分岐角は右より左が大きい。
解答
正解5(主気管支の分岐角は右より左が大きい。)
解説

左主気管支は右より細く長く水平に近いため、気管正中軸に対する分岐角は右より左のほうが大きい。

本問は厚生労働省により採点除外(正答なし)とされているが、選択肢5の記述自体は正しい。左主気管支は心臓を避けて走行するため、右主気管支に比べ細く・長く・水平(分岐角が大きい)である。逆に右主気管支は太く・短く・垂直に近いため、誤嚥した異物は右気管支に入りやすい。他の選択肢は誤り:鼻前庭は皮膚(重層扁平上皮+鼻毛)で覆われ、粘膜(呼吸上皮)ではない。気管は輪状軟骨下縁(第6頸椎の高さ)に始まり、気管分岐部は第4〜5胸椎の高さである。上気道は一般に鼻腔・咽頭・喉頭までを指し、咽頭までとするのは不正確である。右主気管支は左より『太い』。

✗ 1. 誤り
鼻前庭は粘膜で覆われている。
鼻前庭は皮膚(鼻毛を伴う重層扁平上皮)で覆われる
✗ 2. 誤り
気管は第4胸椎の高さから始まる。
気管は第6頸椎の高さ(輪状軟骨下縁)から始まる
✗ 3. 誤り
下気道は鼻腔から咽頭までをいう。
上気道は喉頭までを含むため不正確
✗ 4. 誤り
右主気管支は左主気管支よりも細い。
右は左より太い
✓ 5. 正しい
主気管支の分岐角は右より左が大きい。
左主気管支は水平に近く分岐角が大きいため記述自体は正しい(本問は採点除外)
本問は厚生労働省が「選択肢に不適切があるため」として採点除外とした問題です(第54回理学療法士・作業療法士国家試験 午前 問56、公式の正答はありません)。上気道と下気道の境界(喉頭をどちらに含めるか)は教科書によって記載が分かれるため、原問の選択肢3「上気道は鼻腔から咽頭までをいう。」が正しいとも読めてしまい、正答が一つに定まらなかったことが主因とされています。そこで演習として成立させるため、当方で選択肢3を「下気道は鼻腔から咽頭までをいう。」(「上」→「下」)と改め、定義の揺れに関わらず明確な誤りとしました。あわせて選択肢5は対象があいまいだという指摘があったため「気管支の分岐角は右より左が大きい。」→「主気管支の分岐角は右より左が大きい。」とし、選択肢2は当方の転記誤りを公式PDFどおり「気管は第5胸椎の高さから始まる。」→「気管は第4胸椎の高さから始まる。」に戻しています(いずれの高さでも誤りで、正しくは第6頸椎の高さです)。これらの改変により、正答は5に一つに定まります。
ポイント
  • 右主気管支=太く・短く・垂直(誤嚥物が入りやすい)
  • 左主気管支=細く・長く・水平(分岐角が大きい)
  • 気管の始まり=第6頸椎(輪状軟骨下縁)
  • 気管分岐部=第4〜5胸椎
  • 鼻前庭は皮膚(鼻毛)で覆われる
比較表
左右主気管支の比較
項目右主気管支左主気管支
太さ太い細い
長さ短い長い
走行垂直に近い水平に近い
分岐角小さい大きい
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