学習トップ理由で解く 理学療法士第3章 ▸ 実地 / QP54A001

理由で解く 理学療法士

QP54A001 運動学

出典:第54回理学療法士国家試験(2019)午前 問1
問題
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で正しいのはどれか。2つ選べ。
図
選択肢
1 肩外転
2 肘伸展
3 股伸展
4 股内転
5 足背屈
解答
正解1(1)、4(4)
解説

日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会基準に照らし、基本軸/移動軸と測定肢位の両方を確かめる問題である。基準どおりなのは1の肩外転と4の股内転で、残る3つは測定肢位が基準から外れている。

1の肩外転は、基本軸=肩峰を通る床への垂直線、移動軸=上腕骨で、前額面上で上肢を外転させており基準に一致する。4の股内転は、基本軸=両側の上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線、移動軸=大腿中央線(上前腸骨棘と膝蓋骨中心を結ぶ線)で、反対側の下肢を挙げてその下を通して内転させる方法が正しく描かれている。よって正答は1と4である。2の肘伸展は基本軸=上腕骨、移動軸=橈骨で、前腕回外位で測るのが基準だが、図の前腕は回外しておらず測定肢位が異なる。3の股伸展は腹臥位・膝伸展位で測るのが基準であり、図のように背臥位で膝を曲げて大腿を挙げる肢位は屈曲を測るときの姿勢である。5の足背屈は腓腹筋の緊張が背屈を制限しないよう膝屈曲位で測るが、図は膝伸展位で描かれている。関節可動域測定は、基本軸と移動軸の取り方だけでなく、どの肢位で測るかまで一致して初めて正しい測定になる。

✓ 1. 正しい
肩外転
基本軸=肩峰を通る床への垂直線、移動軸=上腕骨。前額面上の外転で基準どおり
✗ 2. 誤り
肘伸展
肘の屈曲・伸展は前腕回外位で測るが、図の前腕は回外しておらず測定肢位が誤り
✗ 3. 誤り
股伸展
股伸展は腹臥位で測る。背臥位で膝を曲げ大腿を挙げる図は屈曲の測り方で誤り
✓ 4. 正しい
股内転
基本軸=両上前腸骨棘を結ぶ線への垂直線、移動軸=大腿中央線。対側下肢を挙げて内転させており正しい
✗ 5. 誤り
足背屈
背屈は腓腹筋の緊張を避けるため膝屈曲位で測る。図は膝伸展位で誤り
ポイント
  • 基本肢位=0度、5度刻みで記録
  • 基本軸(固定側)と移動軸(動く側)を骨指標で設定
  • 代償運動を抑え、隣接関節の影響を除いた肢位で測定
  • 日本整形外科学会・日本リハビリテーション医学会の統一基準に準拠
比較表
ROM測定の基本ルール
項目基準
開始肢位基本肢位=0度
記録単位5度刻み
軸の設定基本軸・移動軸を骨指標に沿わせる
測定器具ゴニオメーター(角度計)
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