学習トップ理由で解く 理学療法士第12章 ▸ 実地 / QP53A017

理由で解く 理学療法士

QP53A017 理学療法治療学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問17
問題
45歳の女性。右変形性股関節症。先天性股関節脱臼の既往がある。1年前から荷重時の右股関節痛があり、2か月前から安静時痛も出現した。起居動作時や歩行時の疼痛が強くなってきたため受診した。ADL指導として適切なのはどれか。
選択肢
1 階段は右足から昇段する。
2 階段は左足から降段する。
3 できるだけ低い椅子に座る。
4 T字杖を使用する場合は左手に持つ。
5 左足よりも右足を手前に引いて椅子から立ち上がる。
解答
正解4(T字杖を使用する場合は左手に持つ。)
解説

変形性股関節症では患側股関節への荷重・モーメントを減らす。杖は健側(対側)手に持つのが原則。

変形性股関節症のADL指導は、患側(右)股関節にかかる荷重と関節反力を減らして疼痛進行を抑えることが目的である。T字杖を健側である左手に持つと、患側と反対側で床反力を分担でき、股関節にかかる外転筋の張力(関節合力)を大きく軽減できるため適切である(選択肢4)。階段は『健側から昇り患側から降りる』が原則で、右が患側の本例では昇りは左(健側)から、降りは右(患側)からとなり、選択肢1・2はいずれも逆で不適。低い椅子は立ち座りで股関節を深く屈曲させ関節負荷と疼痛を増すため高めの椅子が望ましい(選択肢3は誤)。立ち上がりでは患側(右)を前に出し健側で支えるのが原則で、患側を手前に引くのは負担が大きく不適切(選択肢5は誤)。

✗ 1. 誤り
階段は右足から昇段する。
階段は右足(患側)から昇段:昇りは健側(左)から。患側から昇るのは負担大で誤
✗ 2. 誤り
階段は左足から降段する。
階段は左足(健側)から降段:降りは患側(右)から。健側から降りるのは逆で誤
✗ 3. 誤り
できるだけ低い椅子に座る。
立ち座りで股関節深屈曲となり負荷増大。高めの椅子が適切
✓ 4. 正しい
T字杖を使用する場合は左手に持つ。
T字杖は左手(健側)に持つ:患側と反対の手に持つことで股関節反力を軽減
✗ 5. 誤り
左足よりも右足を手前に引いて椅子から立ち上がる。
右足(患側)を手前に引いて立ち上がる:患側前方・健側支持が原則で、患側を引くのは不適
ポイント
  • 杖は健側(対側)の手に持つ
  • 階段は健側から昇り患側から降りる(良い足から天国、悪い足から地獄)
  • 椅子は高めにして股関節深屈曲を避ける
  • 立ち上がりは患側を前に、健側で支持
比較表
変形性股関節症のADL指導(右患側の場合)
動作適切な方法
杖の把持健側=左手
階段昇り健側(左)から
階段降り患側(右)から
椅子高めを選ぶ
立ち上がり患側(右)を前に出す
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