学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP53A001

理由で解く 理学療法士

QP53A001 理学療法評価学

出典:第53回理学療法士国家試験(2018)午前 問1
問題
68歳の女性。変形性股関節症。発症して10年が経過し、右人工股関節全置換術を施行することとなった。術前評価として歩行分析を行ったところ、右立脚期にDuchenne歩行が観察された。この患者に行う検査として重要度が低いのはどれか。
選択肢
1 筋力検査
2 形態計測
3 疼痛検査
4 反射検査
5 関節可動域検査
解答
正解4(反射検査)
解説

変形性股関節症は整形外科疾患であり中枢・末梢神経障害を伴わないため、腱反射を診る反射検査の優先度は低い。

Duchenne歩行は立脚期に体幹を患側へ傾ける歩容で、中殿筋を中心とする股関節外転筋の筋力低下や股関節痛の代償として生じる。したがって外転筋を含む筋力検査、疼痛の評価、股関節可動域制限や下肢長差を捉える関節可動域検査・形態計測(脚長・周径)はいずれも術前評価として重要度が高い。一方、変形性股関節症は関節の変性疾患であり、深部腱反射の異常を来す中枢神経・末梢神経障害を本態としないため、反射検査の重要度は相対的に低い。

✗ 1. 誤り
筋力検査
中殿筋など股関節外転筋の筋力低下がDuchenne歩行の主因であり評価は必須(重要)
✗ 2. 誤り
形態計測
脚長差・大腿周径(廃用性筋萎縮)の把握に重要(重要)
✗ 3. 誤り
疼痛検査
股関節痛は跛行・ADL制限の要因で術前後の比較にも必要(重要)
✓ 4. 正しい
反射検査
神経障害を伴わない整形疾患であり腱反射評価の優先度は低い(正=重要度が低い)
✗ 5. 誤り
関節可動域検査
屈曲拘縮・外転制限などの評価に必須(重要)
ポイント
  • Duchenne歩行=股関節外転筋(中殿筋)筋力低下の代償
  • 変形性股関節症は神経障害を伴わない→反射検査の優先度低
比較表
股関節外転筋低下による跛行
歩容特徴代償
Trendelenburg徴候遊脚側の骨盤が下制外転筋が骨盤を保持できない
Duchenne歩行体幹を立脚(患)側へ傾ける外転筋への負荷・疼痛を軽減
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