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理由で解く 理学療法士

QP52A076 病理学概論

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問76
問題
急性炎症と比較した場合の慢性炎症の特徴はどれか。
選択肢
1 血管内皮細胞の損傷
2 血漿蛋白の滲出
3 好中球の集積
4 サイトカインの分泌
5 組織の線維化
解答
正解5(組織の線維化)
解説

慢性炎症では組織の線維化(修復・瘢痕化)が特徴。急性炎症は好中球浸潤・滲出が主体。

急性炎症は血管透過性亢進による血漿蛋白の滲出と好中球の集積(滲出性反応)を主体とし、数時間〜数日で完結する。これに対し慢性炎症は数週〜数か月にわたり持続し、リンパ球・マクロファージ・形質細胞の浸潤、組織破壊とともに肉芽組織形成・線維芽細胞増殖による線維化(瘢痕化)が進行するのが特徴である。したがって急性炎症と比較して慢性炎症を特徴づけるのは『組織の線維化』である。血管内皮損傷・血漿蛋白滲出・好中球集積は急性炎症の要素で、サイトカイン分泌は急性・慢性いずれにも共通する。

✗ 1. 誤り
血管内皮細胞の損傷
急性炎症初期の血管反応で、慢性炎症を特徴づける所見ではない
✗ 2. 誤り
血漿蛋白の滲出
血管透過性亢進による滲出は急性炎症の主体で、慢性炎症の特徴ではない
✗ 3. 誤り
好中球の集積
好中球浸潤は急性炎症の代表所見。慢性ではリンパ球・マクロファージが主体
✗ 4. 誤り
サイトカインの分泌
急性・慢性いずれの炎症でも起こる非特異的反応で、鑑別点にならない
✓ 5. 正しい
組織の線維化
線維芽細胞増殖・瘢痕化は持続的な慢性炎症を特徴づける修復像
ポイント
  • 急性炎症=好中球浸潤・血漿滲出(滲出性、短期)
  • 慢性炎症=リンパ球・マクロファージ浸潤+線維化(増殖性、長期)
  • 線維化=組織修復・瘢痕化のプロセス
比較表
急性炎症と慢性炎症の比較
項目急性炎症慢性炎症
主な浸潤細胞好中球リンパ球・マクロファージ・形質細胞
血管反応透過性亢進・血漿滲出血管新生を伴う肉芽形成
組織変化浮腫・滲出線維化・瘢痕化
経過数時間〜数日数週〜数か月以上
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