学習トップ理由で解く 理学療法士第11章 ▸ 実地 / QP52A018

理由で解く 理学療法士

QP52A018 理学療法評価学

出典:第52回理学療法士国家試験(2017)午前 問18
問題
85歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。歩行練習中に下肢装具の条件を変えて歩行を比較したところ、底屈制動を軽減して中足足根関節部以遠の可撓性を高めることで歩幅が増加した。改善に影響を与えた麻痺側の主な歩行周期はどれか。
選択肢
1 荷重応答期
2 立脚中期
3 立脚後期
4 遊脚中期
5 遊脚後期
解答
正解3(立脚後期)
解説

立脚後期は踵離地から前足部で身体を前方へ押し出す時期。足関節底屈と前足部の可撓性が前方推進と歩幅に寄与する。

歩幅の増加には、麻痺側立脚後期(terminal stance〜pre-swing)での前方推進が重要である。この時期は踵が離れ、足関節がいったん背屈してから底屈へ移行し、中足趾節関節を軸に前足部で体を前方へ押し出す(heel-off〜toe-off)。装具の底屈制動を弱め中足足根関節部以遠の可撓性を高めると、前足部のロールオーバーと蹴り出しが円滑になり、対側下肢の振り出し(歩幅)が大きくなる。したがって改善に最も影響した歩行周期は立脚後期である。荷重応答期や立脚中期は主に衝撃吸収・支持の時期で前方推進の主役ではない。

✗ 1. 誤り
荷重応答期
踵接地後の衝撃吸収期で、底屈制動よりも膝の制御が主となり歩幅増加の主役ではない
✗ 2. 誤り
立脚中期
単脚支持で身体重心を前方へ運ぶ時期。前足部の蹴り出しはまだ主役でない
✓ 3. 正しい
立脚後期
踵離地から前足部での蹴り出しが起こり、可撓性向上が前方推進と歩幅増加に直結
✗ 4. 誤り
遊脚中期
下肢を振り出す時期で足部の可撓性が歩幅を直接規定しない
✗ 5. 誤り
遊脚後期
接地に備え下腿を前方へ振り出す時期で、前足部の蹴り出しとは関係が薄い
ポイント
  • 立脚後期=前足部での蹴り出し・前方推進
  • 中足趾節関節のロールオーバーが歩幅を規定
  • 前足部の可撓性向上でtoe-offが円滑化
比較表
立脚相の各期と主な役割
時期主な役割
荷重応答期衝撃吸収
立脚中期単脚支持・重心前方移動
立脚後期踵離地・前足部で前方推進
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