
この図の解説
この図は嚥下を左から右へ3段階で追ったもので、注目すべきは「食物の通路をどう確保し、空気の通路をどう閉じるか」という交通整理である。左の第1相(口腔相)では舌が食塊を硬口蓋に押し付けながら咽頭へ送り込む随意運動を示す。中央の第2相(咽頭相)では、まず軟口蓋が挙上して咽頭後壁に押し付けられ鼻腔への通路が閉じ(「鼻腔を閉鎖」)、続いて喉頭が引き上げられ喉頭蓋が気管への入口をふさぐ(「喉頭を閉鎖」)。この一連は意識せず起こる反射運動である。右の第3相(食道相)では、赤い矢印が下向きに変わり、食塊が食道の蠕動運動で胃へ移送されることを表す。軟口蓋・喉頭蓋という2枚の「フタ」がどのタイミングで働くかを図で押さえたい。
学習の要点
- 嚥下は口腔相・咽頭相・食道相の3相からなり、口腔相のみ随意運動で咽頭相以降は反射・蠕動である。
- 覚え方のコツ: 相と運動を「口=随意/咽=反射/食=蠕動」の3対で暗記。フタは軟口蓋(鼻へのフタ)と喉頭蓋(気管へのフタ)の2枚。
- 関連知識: 咽頭は食物と空気の通路が交叉する場で、消化器と呼吸器の両方に属する。軟口蓋が下がる呼吸時は鼻腔から喉頭へ空気が抜ける。
- よくある間違い: 鼻腔を閉じるのを喉頭蓋、気管を閉じるのを軟口蓋と取り違える。担当が逆(軟口蓋=鼻、喉頭蓋=気管)。
- 臨床応用: 意識障害で舌根が咽頭へ落ち込むと気道を閉塞し(舌根沈下)、誤嚥のリスクとなるため気道確保が必要になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
嚥下運動の際、後上方に挙上して咽頭と鼻腔のつながりを遮断し、飲食物が鼻腔へ入るのを防ぐ構造は( )である。
答えを見る
答え: 軟口蓋
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。