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理由で解く 看護師国試

Q111P117 看護の統合と実践

出典:第111回看護師国家試験(2022)午後 問117
問題
午前9時頃、震度5強の地震が発生した。二次救急医療機関の救命救急病棟に勤務する看護師は、自身の身の安全を確保し、揺れが収まると病院の災害発生時のマニュアルに沿って行動を開始した。病棟には人工呼吸器を使用中の患者が1人、輸液ポンプを使用中の患者が3人、酸素療法中の患者3人が入院している。
A君とBさんはともに入院して治療が始まった。発災から10日後、A君、Bさんの治療経過は良好で合併症もなくバイタルサインは安定していた。Bさんから看護師に「Aは好きなお菓子を食べず、私のそばからずっと離れず甘えてきます。昨夜はおねしょをしていたようで、びっくりしました。どうしたらよいのかわかりません」と相談があった。看護師の対応として適切なのはどれか。
選択肢
1 「お母さんがしっかりしましょう」
2 「A君が1人になる時間をつくりましょう」
3 「A君に水分を控えるよう声をかけましょう」
4 「A君が甘えてきたら抱きしめてあげましょう」
解答
正解4(「A君が甘えてきたら抱きしめてあげましょう」)
解説

母への甘え・分離不安、遺尿(おねしょ)、食欲低下は災害後の子どもに正常にみられる退行現象。安心感を与える関わり(受け止め・スキンシップ)が適切。

6歳のA君にみられる「母から離れず甘える」「夜尿」「食欲低下」は、災害という強いストレスに対する子どもの正常な心理的反応であり、より幼い時期の行動に戻る退行(赤ちゃん返り)である。この時期は叱責や自立を強いるのではなく、甘えを十分に受け止め抱きしめるなど安心感・安全感を与える関わりが回復を促す。したがって「甘えてきたら抱きしめてあげましょう」が適切で、母親の不安にも寄り添う対応となる。

✗ 1. 誤り
「お母さんがしっかりしましょう」
母親を責め不安を強める言葉で、支援的でない。母親自身も被災者であり支える対象
✗ 2. 誤り
「A君が1人になる時間をつくりましょう」
分離不安が強い時期に無理に引き離すと不安を増強させる。退行時は寄り添いが必要
✗ 3. 誤り
「A君に水分を控えるよう声をかけましょう」
「A君に水分を控えるよう声をかけましょう」:夜尿はストレス反応であり水分制限で解決するものではなく、脱水を招く不適切な助言。夜尿を叱らない対応が基本
✓ 4. 正しい
「A君が甘えてきたら抱きしめてあげましょう」
「A君が甘えてきたら抱きしめてあげましょう」:退行という正常反応を受け止め、スキンシップで安心感を与える適切な関わり
ポイント
  • 災害後の子どもの退行(甘え・夜尿・食欲低下)は正常な反応
  • 叱責・自立の強要ではなく安心感を与える受容的関わりが基本
  • 母親も被災者であり支援対象として寄り添う
比較表
災害後の子どもの反応と対応
反応(退行)適切な対応
母への甘え・分離不安そばで受け止め、スキンシップで安心感を与える
夜尿(おねしょ)叱らず、失敗を責めない
食欲低下無理強いせず見守る
家族への支援保護者の不安にも寄り添い支える
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