学習トップ理由で解く 看護師国試第10章 ▸ 状況設定 / Q109A117

理由で解く 看護師国試

Q109A117 在宅看護論

出典:第109回看護師国家試験(2020)午前 問117
問題
Aさん(57歳、男性)は、妻(55歳)と長女(28歳)の3人暮らし。4年前に直腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部のがん疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院した。主治医からAさんと家族に余命4か月程度と告知され、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話している。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、痛みがなければ日常生活動作〈ADL〉は、ほぼ自立している。
退院後3か月。Aさんの食事や水分の摂取量は減り、徐々に傾眠傾向になってきた。Aさんの妻は訪問看護師に「少し怖いが、できればこのまま自宅で看ていきたい」と話した。Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
選択肢
1 高カロリー輸液の開始を医師と相談する。
2 Aさんの清潔ケアは看護師が行うことを妻に伝える。
3 今後起こりうるAさんの状態の変化を妻に説明する。
4 Aさんが亡くなるまで家族がそばを離れないように伝える。
解答
正解3(今後起こりうるAさんの状態の変化を妻に説明する。)
解説

看取りへの不安をもつ家族には、今後起こりうる変化を事前に説明し、心構えと安心をもって看取れるよう支える。

摂取量低下と傾眠は死が近づく自然な経過(臨死期の変化)を示す。妻は『少し怖いが自宅で看たい』と看取りの意思と不安を同時に表している。訪問看護師は、これから起こりうる身体変化(食事量のさらなる低下、呼吸の変化、意識レベルの低下など)を事前に説明し、それが自然な過程であると理解できるよう支えることで、妻の不安を和らげ落ち着いて看取りに臨めるようにする。終末期に高カロリー輸液を開始することはむしろ苦痛を増しうる。ケアを看護師が代行すると家族の関わりを奪い、常に離れないよう強いることも家族の負担を高め不適切である。

✗ 1. 誤り
高カロリー輸液の開始を医師と相談する。
臨死期の輸液は浮腫・分泌物増加で苦痛を増しうる、本人の意向にも反する
✗ 2. 誤り
Aさんの清潔ケアは看護師が行うことを妻に伝える。
家族が関わる機会を奪う、家族ができるケアを支えるのが適切
✓ 3. 正しい
今後起こりうるAさんの状態の変化を妻に説明する。
心構えを持て不安が軽減し、自宅での看取りを支える適切な対応
✗ 4. 誤り
Aさんが亡くなるまで家族がそばを離れないように伝える。
家族に過度な負担を強い、休息も取れず不適切
ポイント
  • 臨死期の変化を家族に事前に説明し心構えを支える
  • 摂取量低下・傾眠は自然な経過
  • 終末期の高カロリー輸液は苦痛を増しうる
  • 家族が関われるケアを支援し過度な負担は避ける
比較表
在宅看取りの家族支援のポイント
対応適否
今後の変化を事前説明適:不安軽減・心の準備
家族ができるケアを支える適:関わりを尊重
臨死期の高カロリー輸液不適:苦痛増悪の可能性
常時付き添いを強いる不適:家族の負担過大
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 看護師国試
App Store入手