
この図の解説
この図は、スパイロメーター(肺機能検査)で記録される肺気量分画を示す。まず左の波形に注目する。小刻みに上下する部分が安静時呼吸で、この1往復で出し入れされる空気量が1回換気量(TV、約500ml)である。中央で波形が大きく跳ね上がり深く落ち込むのが強制呼吸で、安静吸息の上にさらに吸い込める分が予備吸気量(IRV、約2〜3ℓ)、安静呼息の上にさらに吐き出せる分が予備呼気量(ERV、約1ℓ)にあたる。最大に吐き出しても肺には残気量(RV、約1〜1.5ℓ)が残る。右側には、4つの基本分画の帯と、それらを組み合わせた「容量」の帯が並ぶ。TV+IRVが最大吸気量(IC)、TV+IRV+ERVが肺活量(VC)、VC+RVが全肺気量(TLC)、ERV+RVが機能的残気量(FRC)である。分画(volume)と容量(capacity)の区別が読み取りの要となる。
学習の要点
- 基本の4分画(TV・IRV・ERV・RV)は重ならず、これらを足し合わせたものが各種の容量(capacity)になる。
- 覚え方のコツ: 肺活量=TV+IRV+ERV(残気量を含まない)、全肺気量=肺活量+残気量(すべて含む)。「残気を足すと全肺、引くと肺活」。
- 関連知識: 肺胞に常に空気が残るのは、胸膜腔が陰圧に保たれ肺が完全にはしぼまないため。気胸で陰圧が失われると肺は弾性で縮む。
- よくある間違い: 肺活量に残気量を含めてしまう誤り。最大に吐いても肺は空にならず、残気量は肺活量に入らない。
- 臨床応用: 拘束性換気障害では肺活量(%肺活量)が低下し、閉塞性換気障害では残気量・機能的残気量が増える傾向がある。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
肺活量(VC)は、1回換気量・予備吸気量・( )の3つを合わせた量である。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 予備呼気量
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。