
この図の解説
図の上段は左大脳半球の外側面で、前方(左)に「発話」を担うブローカ中枢、後方(右)に「理解」を担うウェルニッケ中枢が色分けされ、両者を結ぶ弓状束が弧を描いている。まずこの前後の位置関係を目に焼き付けてほしい。ブローカ中枢(運動性言語中枢)は前頭葉の外側下部にあり、話す考えをまとめて口唇・喉頭などの運動指令へ送る。ここが侵されると、声は出せても意味ある言葉を正しく発声できず、話しても遅く構音も悪い非流暢失語となる(運動性失語症)。一方ウェルニッケ中枢(感覚性言語中枢)は聴覚野のすぐ後方にあり、聞いた言葉の意味を理解する。障害されると音は聞こえても意味がとれず、発話は保たれるが内容が支離滅裂になる(感覚性失語症)。いずれも多くのヒトで左大脳半球(優位脳)に存在する点が図の要である。
学習の要点
- 運動性言語中枢=ブローカ中枢は前頭葉外側下部、感覚性言語中枢=ウェルニッケ中枢は聴覚野後方(側頭葉)。図の「発話(前)」「理解(後)」の位置がそのまま対応する。
- 覚え方のコツ: 「前で話す(ブローカ=発話)、後ろで聞き取る(ウェルニッケ=理解)」。運動性は非流暢、感覚性は流暢だが無意味と対で押さえる。
- 関連知識: 言語野は多くのヒトで左大脳半球(優位脳)にあり、聴覚野・運動野・大脳皮質の連合野と連携して働く。図の弓状束は前後の言語中枢を連絡する。
- よくある間違い: 「運動性失語=理解もできない」は誤り。運動性失語では他人の話や書いたものは良く理解できる。逆に感覚性失語では発話自体は可能。
- 臨床応用: 脳卒中で左半球が侵されると著しい言語障害が起こる。障害された中枢の前後位置から失語のタイプを推定できる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
言語野は運動性言語中枢と感覚性言語中枢からなり、ほとんどの人では( )大脳半球に存在する。この半球を優位脳という。
答えを見る
答え: 左
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。