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理由で解く 看護師国試

Q106P114 看護の統合と実践

出典:第106回看護師国家試験(2017)午後 問114
問題
Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症による敗血症で入院し、5日が経過した。中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。
Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示量の2倍のノルアドレナリンが3時間投与されていた。これは、医師がノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。病棟では、リスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることとなった。再発防止策で適切なのはどれか。
選択肢
1 薬剤に関する研修会を企画する。
2 医療機器の操作方法を再教育する。
3 インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
4 医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。
解答
正解4(医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。)
解説

エラーの原因は『指示変更の伝達漏れ(人的伝達の失敗)』にあるため、個人の責任追及ではなく、複数人での情報共有という仕組みで再発を防ぐ。

今回のインシデントは、指示変更が担当看護師個人の記憶に依存し、実行を忘れたことが原因である。医療安全では『人は誰でも間違える』を前提に、個人を責めず(非懲罰的)、システム(仕組み)で再発を防ぐ考え方が基本である。指示内容の変更時に複数の看護師で情報を共有・確認する体制を整えれば、一人の失念があっても他者が気づき実行漏れを防げる。薬剤知識や機器操作の不足が原因ではなく、反省文などの個人叱責は再発防止の本質的対策にならない。

✗ 1. 誤り
薬剤に関する研修会を企画する。
原因は薬剤知識の不足ではなく指示変更の伝達漏れであり、対策がずれている
✗ 2. 誤り
医療機器の操作方法を再教育する。
機器操作のミスではないため原因に対応していない
✗ 3. 誤り
インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。
個人への懲罰的対応で、システム改善につながらず再発防止にならない
✓ 4. 正しい
医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。
伝達漏れという原因に直接対応し、仕組みで再発を防ぐ適切な対策
ポイント
  • 医療安全は『個人を責めずシステムで防ぐ』が原則
  • 指示変更の伝達漏れ→ダブルチェック・複数人での情報共有で対策
  • 反省文など懲罰的対応は再発防止策として不適切
比較表
インシデント再発防止の考え方
アプローチ内容評価
システム志向仕組み・体制を改善(複数人確認等)適切
個人責任追及反省文・叱責不適切(再発防止に寄与しない)
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